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八月九日。午前十時四十七分


 あんなの…。どうすれば…。


 校舎へ駆け寄る最中だった。途端に轟音が鳴り響き、大型の飛行物体が現れた。薄汚れた肉塊の…。そのシルエットを僕は識っていた。四郎爺ちゃんから、よく見せてもらっていた写真の中に写っていたソレ。【B29爆撃機】だ…。


 その肉塊の先端には幾つもの眼があった。ソレは無機物的に此方を視ている。腕から生えた四基の筒星型エンジン。その機体は金属で創られたモノではない…。赤羅様あからさまに人間の肉体の様であった。その機体の傷付いた箇所からは紅い液体が滲み出て、空から紅い霧が生み出されていく。


 「あんなの…。どうすれば…。」


 肉体は動きを拒む。恐怖で足がすくみ、顎は無意識にガチガチと歯を鳴らせた。恐怖と不安が肉体を支配していく。麻痺をするかの様に肉体が内側から細やかに震えていた。


 戦闘機タイプの化物は校舎の上空を低速度で旋回している。肋骨がユックリと開き、内臓と思われるモノと細長い物体が堕ちるのが視えた。ドガァン。と屋上の最端にかすめる様に墜ちた【爆弾】は爆炎を舞い上がらせ、校舎を崩壊させていく。


 《夏希…。》


 屋上の上空の一部に視た事の無い雨が降った。激しい雨の中に【異物】が混じっている…。きっと【怪し雨】だ…。


 僕は無意識に水を取り出し飲み干した。日本兵の群れを掻き分け校舎内へと突入する。階段を駆け上がり、屋上へと向かったのだった…。

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