契約更新
六月になり、本格的に梅雨の時期に入った。
トラックで走れる機会は減ったが、数少ない走れる機会を無駄にするわけにはいかないと摩那はメリハリのある練習ができている。
走れる日はスパイクを履いてタータンでスピードを鍛え、小雨の日には近場の農道の坂道でダッシュをする。
大雨で外に出られないときはプールや市営体育館で体を動かし、無駄のない毎日を過ごしてきた。
四月に出会ったころとは動きも見違えるように変わり、普通の女子高生程度にはドリルができるようになってきた。
……まぁ、教えていない動きをさせるとボロが出るし、運動音痴なところは改善されてはいないが。
とりあえず、最低限の選手としての動きはできると言ったところか。
「これが摩那さんの五月の結果ですね。記録会に出た影響もあって、先月と比べて明確に動きに違いがあります。積極的な姿勢なのも変わっていませんし、本当に来年は全国も狙えると思いますよ」
「はぁ~、我が娘ながら、ここまで才能があるとはねぇ。毎日走っているとは思っていたけど、その努力の結果かねえ」
「それは間違いなくありますね。中学二年から毎日の自主練と、健康的な生活習慣が実り始めているフェーズになっています。和恵さんのご協力なくして今の摩那さんはないでしょう」
「大したことはしてないけどね」
「日常生活がしっかりしているというのは想像以上にアスリートには大きいですよ。それが多感な学生にとっては、十二分なアドバンテージになります。摩那さんはよく食べてよく寝る、それは現代の学生では希少な才能になりつつありますから」
「鍋島君は褒めるのが上手いねぇ」
「事実しか言っていませんよ」
今日は家庭教師の更新日ということもあり、今月の契約について説明しに来ている。
上條宅の座り慣れたソファに浅く腰をかけ、対面の和恵に向かってバッグから紙を取り出して渡す。
それは摩那と家庭教師を契約した時点でのあらゆる距離のタイムと、現在のタイムを比較してまとめたものだ。
普段の練習の風景や走っている姿を撮った動画も見せて、摩那の長所と欠点をしっかりと説明する。
和恵は鍋島の話を聞きながら、楽しそうに相槌を打っている。
あまり顔のパーツは似ていないが、笑った時の表情は親子なだけあって摩那らしさを感じさせた。
「ふーん、あの子がここまで動けるようになるとはねぇ。やっぱり、付きっきりで教えてくれる人がいるって大きいのかい?」
「大きいですね。これはセールスではないですが、マンツーマン指導というのは部活動と比べて圧倒的に効率がいいです。多対一で練習を見なければいけない顧問と違い、個人指導は相手に合わせた柔軟なメニューを組み立てられます。間違った努力は即座に修正でき、正しい方向に導ける人間がいるかいないかでは天と地の差があります」
「まーそうだよねぇ。鍋島様様って言ったところかな?」
「ご家庭の支援があってこそですよ」
からかうような和恵の笑みを、出してもらったお茶に手を伸ばすことで誤魔化した。
自分の説明ではあからさまなセールストークに聞こえるだろうなという気恥ずかしさもあった。
契約の主体は摩那ではあるが、金銭面の負担を担っているのはその両親だ。
出資が無駄金ではないと思ってもらうために説明をしているのだが、口下手な自分が上手く喋れている自信はない。
コップを机に置き、トントンと首を指で叩く。
和恵はもう一度紙に目を落としており、じっくり摩那の成長の記録を読んでいるようだ。
紙から視線を鍋島に戻した和恵が問いかける。
その瞳には先ほどまでの軽さはなく、一人の親の顔つきがあった。
鍋島も気持ちを整理して、その真剣さに向き合う。
「それで六月はどうするの? 大会は出るの?」
「今月はじっくり練習にしようかと。七月の大会が目的なので、それに向けた練習が主になりますね。体力はあるのでスピードの最大値を上げることとそれを維持する能力の底上げですね。負担の大きい練習が続くと思いますので、ご家庭でも様子を見てもらえると助かります」
「摩那はその方針を知っているのかい?」
「説明はしました。ある程度のメニューは共有して納得してもらっています。クラスメイトがいい結果を残しているので、それも良い刺激になって厳しいメニューにも積極的ですね」
「ふーん。なら、私としては契約継続に異論はないわ。摩那がいいなら私もそれでいいわ」
「ありがとうございます」
その言葉に頭を下げる。
バレないように、小さく息を吐いた。
拒否されるとは思っていなかったが、真面目な話なのだから万が一のことも考えていた。
その心配は起こることもなく杞憂に終わり、無事に契約のサインを貰う。
リビングに弛緩した空気ができあがり、ホッと胸をなでおろす。
「当面の方針に異論はないんだけどさ、一つ聞いてもいい?」
「はい」
契約書に漏れがないか確認していると、和恵が口を開いた。
その声は先ほどまでの硬さはない。
ただ、なんとなく真面目な話なんだろうなと鍋島は感じた。
当面は、とわざわざ前置きするということはその先について聞きたいのだろう。
県選手権が終わった後の契約については、鍋島は深く考えていない。
ぼんやりとオフシーズンの練習メニューも考えてはいるが、夏の結果次第では野村にお願いをして部活動に入れてもらった方がいいと考えているからだ。
摩那の意思次第にはなるが、やはりただで練習環境が整っている方がありがたいだろう。
それをどう和恵には説明すればいいだろうか。
そう思っていると、和恵は鍋島の想像とは違う質問を投げかけた。
「鍋島君は、大丈夫なの?」
「......私ですか?」
「鍋島君が家庭教師として誠実に摩那に接してくれるのは分かるけどね、流石に心配が勝るわ。練習場までの送迎や練習メニューを考えるのも一苦労だろう? 金をもらってるとはいえ、明らかにかけている労力が大きすぎる。塾もあるんだ、摩那のことはもっと適当でもいいんだよ」
「適当には教えられないですよ......」
和恵の心配に、鍋島は困惑しながら口ごもる。
確かに言われてみれば、自分の生活に摩那との練習が大きく食い込んでいる。
ちゃんと家庭教師としてのバイト代はもらっているが、ガソリン代や練習に必要な道具は全て鍋島の自費から出ている。
第三者から冷静に見れば、時給の割に合わない労働に見えるだろう。
何故、自分はこんな労働形態に疑問を抱かなかったのだろうか。
……今年に入ってから、自問自答ばかりだな。
ふとそんなことを思い立って頬が緩む。
その答えは最初から分かっているのに、わざわざ他人に問われなければ自覚できないあたり、自分は相当に不器用かもしれない。
鍋島は頭をかきながら、本心を吐露した。
「確かに大変に見えるかもしれませんが、私は納得しているので問題ないですよ。最初は仕事だから、そう割り切っていたつもりでしたけど、今は悪くない気分なんです。言葉で説明するのは難しいんですけど、そうですね。摩那さんの言葉を借りるなら、楽しいんだと思います」
「楽しいねぇ......うん。鍋島君がそう思っているなら、私も納得しようかな。あ、でもお手付きだけはダメよ。私にバレないようにしてね?」
「するわけないじゃないですか......」
「あら、自慢の娘なのに何が不満なの?」
真面目な話をしていたつもりだったのだが、和恵は茶化すようにウインクをしている。
重い雰囲気を吹き飛ばすのは、年の功か生まれ持った性格か。
摩那のことを考えると、後者の方が可能性が高そうだ。
「お母さーん! コーチ! 私もそろそろ行っていいー!?」
「いいわよー!」
二階からくぐもった摩那の声が聞こえる。
金銭面の話をするということで、和恵が摩那を同席させなかったのだ。
盗み聞きするわけでもなく、しっかりと自室にこもっているのは彼女の真面目さが伺える。
今にして考えてみれば、先ほどの話を鍋島としたかったのかもしれない。
摩那が会話を聞いていたなら、鍋島に負担をかけないように変な自重の仕方をするかもしれない。
親としての配慮が行き届いているな。
素直に鍋島は感心をしながら、書類一式をバッグにしまった。
契約の話は終わった。
帰ろうとした鍋島を和恵は引き留める。
「よかったら一緒に夕飯食べてかない? たまには子どもたちの前で話を聞いてみたいわ。普段の様子とかね。ねぇ太一?」
「えっ!? なんでバレたの!?」
「あら、本当にいた」
どうやら太一は盗み聞きをしていたようで、和恵の呼びかけと同時に廊下からパタンと音がした。
リビングから死角になる廊下でうずくまっていたようで、驚いた拍子に転んだようだ。
それと同時に、二階からスリッパの音を盛大にたてながら摩那が降りてくる。
一瞬で賑やかになった空間に、鍋島は肩の力を抜いてソファに深くもたれかかった。
たまには、こういう日も悪くないか。
「ねぇお母さん、コーチに変な事言ってない?」
「変なことってなによ。腹筋がバキバキになってきて鏡の前でポージングしていたこととか?」
「わー! コーチの前で言わないでよ! ていうかなんで知ってるの!」
……いない方がいい気がしてきたな。
和恵と摩那が仲睦まじく言い争っている間に、鍋島の横に太一が座った。
その太一は鍋島に向かって、こっそりと耳打ちしてきた。
「ねぇ先生。お手付きってなに?」
「......逆に、何だと思う?」
「カルタ!」
「太一は擦れてないなぁ......」
純真無垢な太一の瞳に、なんと答えたものか鍋島は頭を悩ませた。
***
今日は寝つきがあまり良くなく、ぼんやりと部屋の窓から外の様子を眺める。
窓を開けるとムッとした空気が流れ込んできて、空調の効いた部屋の空気と混じり合う。
ざぁざぁと雨粒が木の葉を叩く音を何とはなしに聞いていた。
雨は好きだ、その日に外出の予定がなければの話になるけれど。
しばらくの間そうやって外を見ていると、普段は消えているはずのリビングの明かりが点いていることに気がついた。
私の部屋の真下にあるその部屋から、カーテン越しに光が漏れている。
(お母さんが消し忘れたのかな?)
もうすぐ日付が変わる。
この時間帯に起きている家族はいない。
隣の部屋で寝ているはずの太一を起こさないように、ゆっくりと動き出す。
不器用な私はスリッパで音を立てないように歩くことはできないから、素足でフローリングの床を歩く。
冷たい床の感触が足裏に伝わって、少しだけあった眠気が完全に消え去っていく。
廊下に出ると同時に、コンという軽い物音がした。
どうやらリビングには誰かがいるようだ。
階段を降りると、ワイングラスを片手に虚空を見つめている母がいた。
何かを見ているというよりも、思考に耽っているという感じの表情だ。
見たことのない親の表情に声をかけていいか悩んだか、気配を感じ取ったのか顔がこちらに向けられた。
「あら、いつもは摩那が寝てる時間なのに珍しいわね」
「お母さんもリビングにいるのは珍しいね」
「私はたまにこうやって酒を飲んでるわよ」
「そう? 見たことないなぁ」
「まっ、本当にたまにだからねぇ。飲み相手もいないし」
「......お父さん、今年は帰ってこれないの?」
「年末年始は帰ってくるんじゃない? お盆は分かんないって」
「単身赴任って大変だなぁ」
「分からないわよ? 案外海外で楽しくやってるかもしれないわよ?」
そういいながらグラスを傾けて、残っていたワインを一気に飲み干した。
ワインって、結構度数が強いんじゃなかったっけ?
そんなことを思いながら母の横に座る。
吐く息にかすかにアルコールの臭いを漂わせているから、思っているよりも飲んでいるかもしれない。
珍しい。
素直にそう思った。
記憶を掘り起こしてみても、お母さんがお酒を飲んでいる姿はそんなに多くない。
父がいる頃は誕生日などイベントのときには飲んでいたような気もしなくないが、単身赴任になってからは見たことはない。
「なにか嫌なことでもあったの?」
「ん? どうしてそう思うの?」
「だって、いつもお酒なんて飲まないのに。今日に限って」
「ふふ。摩那は、お酒は嫌な事があった時に飲むものだと思うんだ」
「普段飲んでないから、ヤケ酒なのかなぁって」
「逆よ逆。喜びのお酒よ」
「え?」
お母さんはボトルを手に取って、空になったグラスにまたワインを注ぐ。
赤というには暗い色のそれを喉に流し込む顔には、確かに鬱々とした曇りを感じなかった。
……絶対にワインの飲み方ではないと思ったが、お酒の世界を知らない私には正しい飲み方も分からない。
虚空を見つめていたのは考え事をしていたのではなく、酔っていただけかもしれない。
「摩那さぁ、あんまり自分からやりたいって私にワガママを言うことなかったじゃない?」
「そうかなぁ?」
「太一が小学校に上がる前にお父さんが単身赴任になったし、学校からすぐ家に帰ってきては太一の面倒や家事の手伝いをしてくれるのは嬉しかったんだけど、申し訳なさもあったのよね。岳はあんなんだし」
「あはは......お兄ちゃんは確かに自由人だね」
「兄としてしっかりしてほしかったけど、お調子者になっちゃったわねぇ」
家を出て都会の大学に出た兄の名前に思わず苦笑する。
兄は生きたいように生きる人間で、陸上競技も日常生活もずっと楽しそうに笑っていた。
家事もできないし性格もガサツだが、面倒見は悪くなく私が小さい頃はよく一緒にゲームをしたものだ。
大きくなるにつれて家に居る時間は減っていったから、確かに太一の世話は私の方がしているかもしれない。
「一人娘にはのびのびとしてほしかったけど、兄弟の方に振り回される形になってさぁ、親としては心配だったの。まぁ、それも杞憂って分かったからね」
「振り回されてるかな、私?」
「年頃の娘はもっと友達と遊んだり意味もなく着飾ったり髪を染めたりするものよ。服もずっと同じものじゃない、もっとねだっていいのよ? じゃらじゃらしたネックレスとか買ってあげようか?」
「うーん、私はそういうの似合わないと思うけどなぁ」
「似合うわよ、摩那は私似だもの」
オシャレに興味が無いわけではないが、クラスメイトと比べると私は確かに洒落っ気がないのかもしれない。
もともと地毛が茶色なのもあって髪色を変えたことはないし、ネックレスや髪飾りもしていない。
服も動きやすさ重視でシンプルなシャツやズボンばっかりだし、お母さんから見たら地味に見えるのだろう。
歩きやすいという理由だけで制服もスカートではなくスラックスを選択しているし、女の子らしさはない自覚はある。
私はそれに不満はないけれど、親から見たらもっと身だしなみには気を付けてほしいと願うのだろうか?
(うーん、ゴウちゃんは服とか詳しくなさそうだし、姫井ちゃんも私と同じ匂いがするしなぁ。コーチに聞いてみようかな......コーチが女物のコーデに詳しかったらギャップで面白いな)
唸りながら悩む私が面白いのか、お母さんは楽しそうにワインを煽っている。
その姿は妙に様になっていて、大人の余裕というものを感じさせる。
私がお母さんと同じ年になっても、余裕がある人間になれる気がしなかった。
「ねぇ、摩那」
「なに? お母さん」
「今、楽しい?」
唐突にされた質問に対する答えは、考える間もなく口が動いていた。
「うん! 学校も家も陸上も、全部全部楽しいよ! お母さんと太一と一緒にいる時間も好きだし、学校では新しい友達も出来たんだ! それに、精一杯体を動かして走るのは気持ちがいいよ!」
「そう......それなら、いいわ」
あぁ、きっとお母さんはこれをずっと聞きたかったのだろう。
安堵するかのように頬が緩んだその顔を見て、私はそんなことを思った。
ボトルは空になったのか、お母さんは伸びをしながら立ち上がり後片付けを始めた。
グラスを洗いながら、キッチンからお母さんは独り言のように口を開いた。
「はぁ......子どもが大きくなるのは一瞬ねぇ......摩那ももうすぐしたらいなくなっちゃうわねぇ」
「あー、大学はどうしようかなぁ。何にも考えてないや」
「鍋島君のところ行きなさいよ。ここから通えるし、彼もいるし偏差値も悪くないでしょ」
コーチと同じキャンパスに通う自分の姿を想像しようとしたが、あまり上手く思い描けない。
私のコーチじゃないときのコーチは、どんな顔をしているのだろうか。
そう考えると、私は鍋島 肇という一個人をあまり知らないことに気がついた。
太一に甘くて、女性の幼馴染がいて、ゲームが下手で、水中が大っ嫌いで、私に厳しくて、走る姿がとびっきり綺麗。
そんな彼が大学でどんな風に生活しているのか、少しだけ気になった。
洗い物が終わったお母さんが座っている私の肩にポンと手を置いて、耳元で囁いた。
「鍋島君なら、私は反対しないわよ?」
「……何が?」
「あらあら、とぼけっちゃってうふふ」
「もう! コーチとはそういう関係じゃないから!」
「おほほ、どういう関係を想像したのかしらね?」
「なっ......」
「それじゃあ、おやすみ」
そういってお母さんは自分の寝室に入って行った。
似たようなからかわれ方を最近された気がして、悔しい気持ちが心に湧いてくる。
声を荒げる先が無くなってしまい、ソファにズルズルと体を預けた。
(どういう関係かぁ......)
瞳を閉じて、コーチのことを考える。
私は、コーチにどう思ってもらいたいのだろう。
少しだけ考えて、真っ先に浮かんだ答えは色気のないもので思わず笑ってしまう。
先ほど年頃の女の子らしさを考えていたのに、それにかすりもしない答えだった。
(レースで、褒めてほしいなぁ……)
私の走りを、私の全力を見て褒めてほしい。
そして、頑張ったねとお互いに笑い合いたい。
胸に浮かぶのは陸上のことばかりで、お母さんが考えるような甘酸っぱいような展開にはならなさそうだった。
ソファで横たわっていると、忘れていた眠気がふつふつと湧いてきてまぶたが重くなる。
電気を消して、ベッドに戻らなきゃ。
頭ではそう思ったが、体を動かすのはやけに億劫だった。
夕時はコーチも交えて騒がしかったリビングも、今はざぁざぁと雨音がかすかに聞こえるだけだった。
(......コーチにも、楽しいって思ってもらいたいなぁ)
意識を手放す前に、ふとそう思った。
レース中の冷たい顔をしたコーチも嫌いではないが、私はいつもの呆れたように笑うコーチの方が好きだった。
『私が走るときに楽しさは必要ありません』
記録会の時にそう言った彼の声が頭に響く。
それはコーチのポリシーだから、私がとやかくいう権利はないだろう。
でも、それでも。
私と同じ気分を共有したいなぁ。
走ることは楽しいのだと、思いっきり体を動かすのは気分がいいのだと。
本気で一位を狙うのは、何にも代えがたいワクワクがあるのだと。
それだけ考えて、私はそのまま眠りに落ちた。
評価、感想、誤字指摘等していただけると嬉しいです。
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