一難去らずにまた一難
生徒たちに混じり汗を流せば、悩んでいた気分もすっきり流れ落ちた。
グラウンドの端に置いてあった水道で喉を潤す。
具体的な問題が解決したわけでも新しい技術や指導論を身につけたわけではないが、それでも気が楽だった。
問題を相談できる相手や環境があるというのが、鍋島の心に余裕を生んでいた。
(結果を出さなくても、摩那さんを練習に交えてもらえないか聞いてみようか)
野村は生徒の練習を見終えると、職員室に行ってしまった。
鍋島がいつ学校に来ても問題ないように、特別な来客証を発行してくれるらしい。
ありがたいことに、ずいぶんと便宜を図ってもらっている。
鍋島も、何かお礼をすべきだろう。
自分が力になれることはなんだろうか。
そう考えていると、一人の少女が鍋島に話しかけてきた。
「鍋島さん、今いいかな」
「......姫井さん、であってますよね」
「えぇ、姫井 霧子です。鍋島さんにお願いがあるんだ」
水道の蛇口を捻って閉め、姫井の方を見る。
黒のポニーテールは汗で濡れているのか、夕焼けの光を反射してキラキラとしていた。
勝気な目が、鍋島の方を睨むように向けられている。
(小柄で筋肉質。負けん気が強くて、野村先生が困るほどの我の強さ、か。摩那さんとは真逆だな)
練習中も観察していたが、改めて姫井の体を見る。
近くで見ると思っていたよりも小柄で、見下ろす形になってしまう。
160cmは恐らくない。
肩幅もあまり大きくはないが、軽装であらわになっている四肢は太く筋肉がよくついている。
筋肉には持久力に優れた遅筋と瞬発力に優れた速筋があり、その割合は生まれつき決まっている。
速筋は鍛えれば大きくなりやすく、反対に遅筋はトレーニングしてもあまり大きくなるということはない。
姫井の筋肉は速筋の割合が大きいのだろう、よく鍛えられた太ももは隆々としており努力がうかがえる。
摩那は筋トレを続けてはいるが、全体的に線が細く姫井のような見てわかる筋肉は少ない。
摩那と姫井の違いは、しなやかな柳の木とどっしりと根を張るクスノキのような違いがある。
どちらにも良い点と悪い点があり、800mという競技においてお互いの体に優劣をつけることは難しい。
「なんでしょうか? 私ができる範囲でよければ、聞きますよ」
「鍋島さん、僕専属のトレーニングパートナーになってくれ」
思ってもいなかった発言に、面食らう。
どさりと何かが落ちる物音がしたが、辺りを見回しても音の発生源は分からない。
生徒たちはクールダウンを終えて部室に戻って行ったから、ここには自分と姫井の二人しかいない。
きっと、驚いた拍子に何かを聞き間違えたのだろう。
姫井は冗談を言っているような表情ではなく、切れ長の瞳が鍋島の顔を真剣に捉えている。
曖昧にごまかすことも考えたが、その瞳を見て真摯に対応をすることを決めた。
「すみません、質問の意図が分かりません。」
「今日、僕の練習を見てどう思った?」
「そうですね、レベルの高さを感じましたよ。インハイ経験者なだけある。設定タイムも速く、本数を自分で増やせるだけの根性もある。言うことは特にないですね」
「インハイ準優勝者から見ても、そう思えた?」
(......なるほど、野村先生が手に負えないというだけはある)
臆面もなく鍋島の負の記憶をついてくるあたり、いい性格をしている。
つまり、指導者の鍋島としての感想ではなく、競技者の鍋島として姫井の練習をどう思ったか尋ねているのだ。
自分の教え子ではないのだから、あまり踏み込んで意見を言っていいものか一瞬躊躇する。
ただ、納得しないとてこでも動きそうにない姫井の表情を見て、鍋島も本心を飾らず言うことにした。
真摯に、飾らずに、姫井を傷つける言葉が口からするりと出てくる。
「全国優勝は無理ですね。足りないものがデカすぎる」
「......その足りないものとは?」
「メンタル。姫井さん、大舞台に強くないでしょう」
「っ! ……その通りだ」
「練習のレベルはトップと遜色はないでしょう。ただ、その練習が結果に結びついていない現状を重く見た方がいい」
芳志高校について調べたのだ。
当然、姫井の過去の記録も調べてある。
タイムだけで見れば、姫井は高校一年ながら去年の全国ランキング一桁に入る記録を残している。
しかし、そのタイムに見合うだけの結果が残っているかといえば答えはノーだ。
インターハイ準決勝落ち、国体にいたっては予選落ちだ。
県内の大会はほぼ負けなしだが、規模が大きくなると途端に精彩を欠く。
気分によってパフォーマンスが大きく変わる選手なのだろう。
今日の練習も、その一端が垣間見えていた。
「最初、私に良いところを見せようと設定タイムより速く走っていたでしょう? インターバルで2秒も速く走るのは、あまりにも調節が下手すぎる。調子がいいわけでもなさそうなのに、無理した練習は私に自分を売り込むためですよね?」
「......そこまで分かるのか」
「まぁ、野村先生の発言も考慮してですけどね。途中チラチラこちらを見ていた理由が分かりましたよ。さっきまでは、気のせいだと思ってましたけど」
練習中、こちらへ向けられていた視線には気づいていた。
見慣れない人間がいるせいだと思っていたが、違ったようだ。
自分の走りはどうだと、鍋島にアピールをしていたのだ。
「そうだ。僕は大舞台に強くない。パフォーマンスにムラがある。その自覚は、ある」
「それがどうして、パートナーの話とつながるんですか?」
「ムラは生まれ持った僕の性格で変えられない。楽しいときは速く走れるし、緊張したときは動きが固くなる。野村先生にも口酸っぱく言われていることだ」
楽しいという単語に、鍋島はわずかに反応をする。
姫井も、摩那と同じように走ることに楽しさを見出しているようだ。
感情でパフォーマンスが変わる。
鍋島が競技者であったときはそういった経験がない。
淡々と、勝つために必要なことだけをしてきたからだ。
大舞台だろうと、小さい大会だろうと、鍋島のパフォーマンスが観客や場所にとって左右されることはない。
勝てる自分か、そうでない自分か。
それだけだ。
だから、姫井の漏らした弱点を鍋島は理解することはできない。
弱気の感情を覗かせた姫井とは反対に、鍋島の顔には一切の表情はない。
競技者としての鍋島とは、そういう存在だった。
鍋島の感情を読み損ねているのか、姫井は一層声を細くして話し続ける。
「ムラがあるなら、下振れを底上げすればいい。振るわないパフォーマンスでも、負けないほどの速さがあればいい」
「方向性としては納得できますね。不得意を潰すのではなく、得意を伸ばすというのも大事な事ですから」
「練習を見てもらった通り、僕と同じ練習をできる生徒はいません。800mがメインの女子は僕だけで、男子は皆長距離だ。張り合える相手、質の高い練習相手が欲しいんだ」
「なるほど......」
姫井の言いたいことは分かった。
練習相手がいない苦しさは、鍋島も理解している。
来る日も来る日も自分とにらめっこし、変わり映えのないタイムと向かい合うだけの練習は息苦しい。
姫井のように明確な欠点を抱えた人間ならば、なおさらだ。
外的要因によって、変化を求めるのは間違ってはいないだろう。
(野村先生が、そのことを把握していないわけはないんだがな......)
鍋島にとって問題だったのは、姫井のこの欠点を野村がどう判断しているかだった。
姫井の性格も問題も把握してる野村が、何も対策をしていないとは考えにくい。
鍋島の一存で、練習の方向性を決めることはできない。
「野村先生には、何か相談したんですか?」
「先生には、自分と向き合うことでしか解決できないと言われた。そんなことは、僕が一番分かっている! でも、時間がないんだ!」
「姫井さんはまだ二年生でしょう? 時間はあるのでは?」
「未来が、今より良くなるとは限らない。僕は、今が僕のピークだと思っている。今年しか、今年しか僕にはないんだ......」
確たる証拠があるのか、若さゆえの思い込みか、どちらにせよ深刻な問題だと姫井は認識しているようだ。
姫井の顔には苦悶の表情が浮かんでおり、両手でTシャツの裾を固く握りしめている。
なるほど、メンタルの弱さね。
心の中で姫井の性格を修正する。
我が強いのではない。
周りを見るだけの余裕がないのだ。
これ以上伸びないと自分で思い込んでしまったせいで、不必要な焦りに苛まれて暴走しかかっている。
野村の指示を聞けるだけの余裕も、未来への自分の期待も姫井は持てないのだろう。
本当に、なにもかもが摩那とは真逆だ。
鍋島から見た摩那とは、自分の成長に疑いはなく、他人の意見をすんなりと受け入れ、楽観的だ。
摩那より実績がある姫井の方が悲観的で余裕がないのは、あべこべで面白い。
顎に手を当てて、鍋島は考える。
別に、姫井の練習相手になること自体に問題はない。
むしろ、メリットだろう。
摩那と同じ年の女子から、タイムや練習メニューのデータを貰えるのはありがたい。
仮想敵、とまではいかなくても、摩那が上を目指すなら同じ県内にいる姫井とはいずれ競争するのだ。
競争相手の、トップレベルを知っておくことはプラスになることはあれどマイナスになることはない。
それに、指導経験が少ない鍋島にとって野村の下で実戦経験を積むことができる機会だ。
摩那への指導にも十分に役立つはずだ。
……悪くないな。
デメリットは、鍋島の空いてる時間が減るぐらいしかない。
なんだったら、この流れで摩那を陸上部に入れて貰うこともできるんじゃないだろうか。
鍋島がいるときだけ摩那を陸上部につれていき、姫井と同じ練習をさせる。
そうすれば野村が危惧していたような、摩那が誰かをケガさせるような心配はほとんどないだろう。
摩那には同世代の格上と競い合うことで向上心を促し、姫井には練習相手がいることによる客観性を身に着けさせる。
考えれば考えるほど、メリットはあれどデメリットはないような気がする。
野村に相談は必要だが、断る理由はない。
そう結論付け、口を開く。
「いいで──」
「その話し合い、待ったー!!」
聞き覚えのあるよく通る声が、二人の間を切り裂いた。
嫌な予感を覚えながら、声のする方を向く。
こちらに向かって手のひらを見せて、緊迫した面持ちをした制服姿の摩那が立っていた。
摩那の母校でもあるのだからいても不思議ではないのだが、どうしてこの場に来たのだろうか。
疑問に思っていると、姫井の口から低い、唸るような声が聞こえた。
表情も先ほどより険しくなっている。
ただでさえ棘のある表情が、明確な拒絶を示している。
「......何かな、上條さん。今、大事な話をしているんだけど。部外者は引っ込んでくれ」
「うっ......いえ、引きませんよ! 鍋島コーチは今、私の陸上の家庭教師なんですから! 他の人を見る余裕はないんですからね!」
「それを決めるのはあんたじゃないだろ?」
「私はお金を払って教えてもらってるんですよ! コーチの日程に多少の口出しする権利はあるんですよ!」
「ちっ、ボンボンのぶりっ子が」
「なっ!? ぶりっ子じゃないですよ! そういう姫井さんだってクラスでキャラ作ってるじゃないですか!」
「僕は作ってない!」
「知ってるんですからね! 高校デビューだって! 昔はもっと暗かったそうじゃないですか!」
「誰だそんなことを言った奴は! ぶちのめしてやる!」
「......すみません、帰っていいですか」
「ダメですよ!」「ダメだ!」
「えぇ......」
鍋島を挟んだ言い争いに、ズキリと頭に痛みが走る。
真面目な話し合いだったはずなのに、摩那が来た途端にくだらない言い争いになってしまった。
面識はあるのかないのか知らないが、あまり仲良くはなさそうだ。
お互いにフーフーと鼻息を鳴らしながらにらみ合っている様子は、子犬がケンカしているようで間に挟まれていなければ微笑ましい光景だろう。
どうしたものかと悩んでいると、救いの手が外からやってきた。
「肇、申し訳ないが、来客証は貰えなかったよ。面倒だろうけど、毎回──お取込み中かい?」
「いえ、なんでもないです。そうですか、もしかしてあまり歓迎されてない感じでしたか?」
「そうだねぇ。公立はお堅いところがあるからね。特別扱いの枠をあまり作りたくはないようだ。毎回職員玄関には顔を出してほしいとのことだ」
「分かりました」
当然の話だ。
卒業生でもないただの部外者の学生が、そう簡単に校内に入り浸ることができるような扱いはしないだろう。
野村は心底申し訳なさそうな顔をしているが、鍋島は特に気にしていない。
正当な手続きを毎回すればいいだけの話だ。
冷静に辺りを見回した野村が、鍋島に問いかける。
「そう言えば、上條と肇は知り合いなのかい?」
「お金と体の関係です!」
「肇、お話しようか。ちょっと職員室まで来てもらっていいかな?」
「鍋島さんって、そういう人なんだ......」
「誤解です! 件の家庭教師で面倒を見てる生徒が摩那さんなだけです! 摩那さんはどうしてそう勘違いさせるような言い方をするんですか!?」
「間違ったことは言ってないですよ。お金を払って、体の使い方を習ってるんですもん」
「言い方の話をしているのであって、この際正誤はどうでもいいです。その癖を直していただかないと、いつか私が捕まりかねないので本当にやめていただきたい。ていうか、言葉の意味をしっかり理解してませんよね?」
呆れている姫井、複雑そうな顔をしてる野村、ふくれっ面の摩那。
それぞれの視線を受けながら、何故か鍋島は必死に弁明する羽目になっている。
摩那は意外と、独占欲が強いのかもしれない。
……あとで、太一に摩那の好きな物でも聞いておくか。
ご機嫌取りの算段を立てながら、改めて姫井に向き合う。
「気楽に練習に参加できそうにないので、パートナーの話はなしでお願いします」
「......そうか」
「あぁ、でも先輩として一つ、アドバイスならありますよ」
「それは?」
「あなたに一番足りないのは、ハングリーさですよ。今がピークなどという弱気な考えは捨てるべきだ。その思い込みの強さは、もっとタイムに向けた方がいい」
「......」
年齢による衰えはあるが、高校生の今が肉体の全盛期になるということは基本的にない。
早熟の人間もいないわけではないが、姫井にはまだ伸びしろがあるのだ。
身体に限界が来たのなら技術を、技術を極めたのならメンタルを、メンタルが不動ならば作戦を。
上を目指す方法など、いくらでもあるのだ。
……自分のように、競技から離れなければ、自己ベストを出す機会などいくらでも巡ってくるだろう。
俯いた姫井に、声を掛ける。
「その辺りは、今度一緒に走るときにでも教えましょうか」
「......パートナーの話はなしじゃないのか?」
「そうですよコーチ! 受けないって言ったばっかじゃないですか!」
「いや、専属パートナーにはなりませんけど、野村先生に指導を乞いにくることはあるので。そのときでよければ全然一緒に走りますよ」
「なんだ、肇が姫井の相手をしてくれるのか。そりゃ助かる。ねじ曲がったメンタルを叩きなおしてやってくれ」
「うぅ......コーチの浮気者!!」
「付き合ってすらいないんですが」
泣いたふりをしながら夕日に向かって走り去っていた摩那を、三人で呆気にとられながら見送る。
感情が高ぶっているせいか、摩那はいつもより汚いフォームで段々と遠くなっていった。
心底疲れたといった具合の、姫井がポツリと言葉をこぼした。
「なんだったんだ、あいつは」
「私が聞きたいです」
「上條って、あんな面白い生徒だったんだなぁ。優等生だと思っていたが、いやはや。それはそうと、肇は一旦事情を全部話してもらおうか」
「本当に家庭教師で、それ以上でも以下でも何でもないんです......」
明日からのコーチングを考えると、憂うつとした気分が湧いてくる。
……良い感じのライバルができたと前向きに捉えてもらおう。
残った何とも言えない空気感のなか、とりあえず野村の誤解を解くために必死に弁明する鍋島であった。
***
その日のことを、今でもよく思い出す。
夏の、うだるような暑い日だった。
県内で最も大きい大会で、僕は出場すらできずに補助員として運営のボランティアをさせられていた。
スタートのピストルが鳴ったらすぐにグラウンドに飛び出て、レーンナンバー標識をレーン外に移動させるだけの単調な作業。
退屈だったし、自分が出場できなかった大会を見るのは屈辱だった。
サボるわけにもいかず、ふてくされながらも渋々と作業を続けているときに、その人を見た。
男子800m決勝。
大人や大学生がそれぞれのレーンに移動する中、ひときわ小柄な人がいた。
オーラも何もない、ひょろりとした少年だった。
目つきはするどく、ただグラウンドだけを見つめて、口は何かを確認しているのか小声でずっと呟いていた。
顔には表情というものがなく、ただ淡々としていて子どもらしさというものがない。
きっと、緊張しているんだ。
その顔を見て、僕はそう判断した。
周りの男は皆、その子よりも一回りどころか二回りも大きい体格なのだ。
運よく決勝まで進むことができたが、最下位で帰ってくるのだろう。
号砲が鳴るまでは、僕はそんなことを考えていた。
パンと乾いた音がして、僕は自分の仕事をこなすためにレースから目を離す。
黄色い標識を持って移動し、レースに支障の出ない場所に置く。
それからふとグラウンドに目を戻すと、信じられない光景が飛び込んできた。
レースが始まって200mも進んでいないというのに、先ほど見た少年が先頭を独走していた。
屈強な体格をした大人や、20cmは身長差がありそうな大学生たちはついて行くことができずにジリジリと少年から離されていく。
会場はどよめき、観衆の視線が一人の少年に釘付けになるのを感じた。
力強く、ブレがなく、無駄がないスムーズなフォーム。
──綺麗だ。
人の走りを見て、初めて感動を覚えた。
あれほどまでに滑らかに人の体とは動くのか。
これほどまでに人は速く走れるのか。
独走状態だった少年がゴールラインを通過したとき、会場からは割れんばかりの歓声が湧き上がった。
デジタルタイマーに表示された記録は、大会記録であると同時に、県記録でもあったからだ。
まだ走っている人がいるにも関わらず、実況の人が大声を上げる。
なんでも、少年は高校生だったらしい。
高校生にして、県記録。
あまり実感が湧かない僕の横を、少年が通り過ぎた。
僕は、何かを成し遂げた人とはどういう顔をするのか単純に知りたくなって、その人の顔を見た。
「足りない......」
すれ違いざまに聞こえた声は恐ろしいほどに冷たく、汗が滴る顔は走る前と同じく表情はなかった。
喜びも疲れも何もなく、ただただ無感情であった。
楽しくは、ないのだろうか。
こんなにスゴイ結果を残して、歓声に包まれてなお、少年の心は動かないのだろうか。
そのときの僕は、ずっと不思議でしょうがなかった。
会場の熱気を生み出した人間は、どこまでも空虚の瞳で自分の脚を見つめていた。
評価、感想、誤字指摘等していただけると嬉しいです。




