忘れ去られても・・・
∼前回のあらすじ∼
屋敷が、崩壊しました
瓦礫が散乱する中、炎魔法の輪に、ひとり佇む人影。
「・・・」
「あ・・・」
怪我の無い姿を見て、安堵と、恐怖で、複雑な心境の王女。
「お~生きてたか!」
遅れて来た姉が、炎を掃いながら近づき、背中を叩く。
背中を叩く手を、握り止め、涙目を見せる。
「姐様・・・元に戻られたらのですね!」
「…あれ?」
怒ってない?
寧ろ、お姉様が元に戻った事に、驚いているみたい
もしかして…自分が置き去りにされた事に、気づいていないのかな?
「も~酷いですわよ!私だけ、別の階に移動させるなんて…」
「そ、そうでしたわね」
・・・気づかなかった‼
お姉様が元に戻る前から、あの場に居なかったの?
今、思い返すと、随分前から静かだった気がする
でも、屋敷を崩壊させた光魔法を、お姉様が放った時も、後ろに居た記憶が…
「突然、足元に魔法陣が現れて…」
「魔法を受けたと思ったら、着ていた服が、無くなっていて…」
「へ、へ~」
偽勇者の仕業だ…
一人で乗り込んで来て、早めに捕まったのは、足元に、魔法陣を書くため
魔力を溜めるために、お姉様を元に戻し、時間を稼ぐ必要があった
服を用意してたって事は、始めから、騙す計画だったんだ…
「…どうやら、上手くいった様ですね」
どこからか現れた偽勇者が、王女の肩に、優しく手を置く。
「魔法で作った土人形、我ながら、完璧に再現/
メキ、メキ。
何も言わずに、偽勇者の顔面を殴った、王女。
鼻から血を出し、倒れる、偽勇者。
「なんで・・・。」
「色々と、ムカつきましたので!」
「で。どうするんだ、これから?」
「取り敢えず、お姉様の魔法で、城へ戻って/
「どうやら、それは、無理そうだぞ…」
逸早く、魔力の異常を感じ取り、城のある方角の空を、指差す。
「まさか…そんな…」
魔力封じの魔道具を使った時と、似た結界が、城から街へと広がって行く。
「防壁結界・・・王国を守る最後の砦」
「きっと…早とちりした、あの豚の仕業ですわ!」
「この結界の中では、魔力、身体能力、共に制限されている」
「歩いて、城を目指しても良いが…難しいだろうな」
空に広がる結果を見つめ、顔を顰める、三人。




