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勇者が死んだ王都では  作者: 真知コまち


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59/60

 煽りが呼ぶ悲劇

∼前回のあらすじ∼


  侯爵が現れました


 跡形も無く消しさった皇帝の魔法に、恐れ戦く兵士達。


 「化物が…」

  怒りと不満の籠った表情を浮かべ、皇帝に冷酷な視線を向ける、侯爵。


「笑止!力量の差を、分かっていながら、帝国に、戦争たたかいいどむと?」

 視線の意図を察し、踏ん反り返り、余裕を見せつける。


 「死んだ兵士の数は?」


  「私が連れて来た兵の、半分ほどが…」

   冷静な口調の侯爵から、怒りを感じ取った騎士隊長が、ぼそぼそと答える。


 「王国あなたの兵士だけでしたら、計画に支障はありません」

 「おい。例のあれの準備を…」

  侯爵の後ろで、私兵たちが、大きな魔道具を動かし始めた。



 腸の煮えくり返った皇帝が、侯爵に向かい、歩き出す。

「また”待て”と…冗談も大概にしろ!」


  「あなたが、私の妹達に、危害を加えると言うのなら…」

   妹達を腕でおおい、ゆっくりと立ち上がる、お姉様。


 「ちょ、ちょっと!違いますよ、お姉様。あれは、私達ではなく/


 積もり積もった怒りが、忘れさられていた過去きおくを、思い出させる。

「そういえば、貴様には、まだ、借りを返していなかったな…るか?」


  「うん?子犬が何か吠えたかしら?」

   皇帝を見下し、耳に手を当て、挑発する。


 「お、お姉様⁈まさか…」


「戯け!」


 撃ち合いを始めた二人の流れ魔法だまが、王女の頬を掠める。

 

 「あ~あ。終わった…」

  想定し得る、最悪の状況けっかになった

  私達は、何もしてないのに!(犬扱い・暴言・傍観)

  いつの間にか、皇帝は、怒りの矛先を、私達に替え、お姉様の性格も、元に戻ってしまった。  

  これ以上、悪くなることは無いと、思いたいけど…


「死ね!」


  「死ぬのは、貴様の方だ!


 周囲が、風圧で消し飛ばされる程の、魔法おおわざを撃とうとする、二人。


 「…魔道具を起動しろ」

  二人の様子を伺う侯爵が、私兵に合図を送る。


ピカッ!

 光輝いた魔道具から、ドーム状の魔力が、放出される。

 徐々に広がる魔力の結界かべは、周囲のものを通過し、屋敷全体を取り囲んだ。


 「発動…」

  輝きを消した魔道具が、結界内を暗転させ、閃光を放つ。

  視界が戻ると、皇帝とお姉様の魔法おおわざが、消えていた。


  「よくやった!」

   一瞬の脚力で距離を詰め、皇帝の鳩尾を、膝打ちする。


「面倒な物を・・・」

 弱る意識の中、侯爵の方向を睨み付け、倒れ込む。


 拳を握った片腕を上げ、皇帝を踏みつけ、あの日の屈辱(リベンジ)を、妹達に示した。

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