お手、お座り。伏せ!
∼前回のあらすじ∼
人質を見つけました
「全兵、剣を構えろ」
「あら。人質の命を、見捨てるつもり?」
偽勇者を引き寄せ、隊長の兵士に、見せつける、王女。
「そ、そうだ。僕が居ないと、作戦は、遂行できない!」
命の危機を感じ、隊長に思い止まる様、必死に訴える。
「・・・剣を下ろせ」
「このままでは、侯爵様の立てた計画が…」
「やはり、侯爵の計画でしたか。あなたも、侯爵に⁉」
拘束された偽勇者を、上から踏みつけ、問い質す。
「いたたたた、痛いです!」
「僕は、侯爵に、仕事を持ち掛けられたから、従っただけで…」
「ふ~ん・・・で、幾ら貰ったの?」
踏みつける脚を上げ、急に、優しい表情を見せる。
「…王様の倍額ですかね」
「最低!」
苦笑いで答える偽勇者を、再び、強く踏みつけた。
「痛、いたたたた!」
「では、そろそろ城へ戻りましょうか」
「待て…待て、待て!その娘を、行かせるわけには…」
人質と任務に悩みながらも、一人、剣を抜き、王女へと向けた。
「落ち着きなさい。偽勇者が動けなければ、唯の、無駄死によ?」
「あなた達に出来ることは、もうありませんわ」
判断に悩む隊長を、挑発して、決断を急かさせる。
「慌てる必要は、無い。ここには、私が集めた、精鋭が揃っている」
「何で、貴方が、ここに居るのよ…侯爵!」
隊長の後ろから、私兵を引き連れ現れた、侯爵。
「王の命を受け、その者達を拘束する!」
「お父様が、そんな命を下すわけ無いでしょ!」
「逆らう者は、反逆者と見なす…」
反逆者を取り囲む兵士達を、睨みで威圧する。
「非常に、まずい状況ですわね…」
このまま走って逃る…無理ね
萎縮した兵士に、私の言葉は届きそうに無い
お姉様も、本来の姿では、十分な力が出せないし…
もう…秘密を知られてでも、私が闇魔法を使うしか、この場を脱する方法は無い
「おい!まだ、残っていたのか?」
箱の中の敵を、拘束した皇帝が、姿を見せる。
「犬!」
「…今、余を、犬と呼んだか⁈」
「あ・・・声に出てた?」
「ふふふ、ははは!よし。余が、皆殺しにしてやろう」
両手に魔法を作り出し、高みから場を見下ろす、皇帝。
「・・・なぜ、皇帝がここに⁉」
「全兵、退避しろ!」
「遅い!」
皇帝に背を向けた左右の兵士を、両手に持つ魔法で、跡形も無く吹き飛ばした。




