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勇者が死んだ王都では  作者: 真知コまち


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56/59

 記憶にございません

∼前回のあらすじ∼


  対立しました


 争いを止め、見上げた柱には、王女の護衛である偽勇者が立っていた。


「あ~居たんですか…」

 存在自体、忘れていた。

 あ!お姉様と一緒に、捕まっていたのか~

 釈放されたなら、私を助けに来れば良いのに!

 今まで何処で何をしていたのやら…護衛失格ですね。


 「今、僕の事、馬鹿にしましたね?」


「ええ。しましたよ~」


 「否定しろよ…」

 「まあ、良いでしょう。そんな口が利けるのも、今だけです」

  一度、冷静になり、偉そうな態度を見せる。


「隠れていた件は責めないので、さっさと、魔法で城まで運んでくださる?」


 「僕の魔法が、裸になる事まで、忘れたんですかね!」

 「あと、僕は、隠れて居ないんですけど…」

  湧き上がる怒りを抑え、呆れたため息を溢す。


「あ~では、お姉様の魔法で、帰りましょうか」

 話を無視して、お姉様に近寄る。


 「それは、不可能だ」

 「貴方たち三人には、ここで死んで貰います」

  出来る限りの悪役顔に変え、剣を抜く。


「ふざけたことを…貴方は、私の護衛でしょ?まだ、根に持っているんですか」


 「アースニードル」

  王女目掛けて飛んで来た土の槍が、顔を掠める。

 「これでもまだ、冗談だとお思いですか」

 

「あんた…笑えないわよ」

 互いに睨み合い、緊張の空気が漂う。


  「危ねぇだろ!」

   突然、怒りのお姉様が、崩れ掛けの柱を叩く。


 「遠くから様子は見ていましたが、大分、弱くなっていますね?」

 「今の貴方様になら、勝てる!」

  戦う前から勝ち誇る護衛の足場はしらに、亀裂が走る。


 バリバリバリ、ミシ!

 「あら?」

  音が鳴ったと同時に、ひび割れた柱が、粉々に崩れ落ちた。


「あ~あ。お姉様が、元に戻ちゃった…」

 崩れる柱を見て、歓喜する者と、絶望する者。


 柱の残骸を避け、倒れた護衛に近づく、王女。

「お~い。生きてます?」


 「・・・」

  頭を打ち気絶した様で、返事が無い。


「何がしたかったのかしら…」


  「お二人さん・・・」

   背後から聞こえた声に、戦慄が走る


「お、お姉様・・・」

 お叱りを受ける覚悟を決め、後ろを振り返った。


  「怪我はない?大丈夫?」

   槍が掠めた顔を触り、優しく話し掛けてくる。


「ふ~戻っていなかったのね」

 姉の様子に安堵し、一息つく。


「全員、動くな!」

 後ろの瓦礫の山から、見たことの無い兵士が、兵を引き連れ現れた。

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