状況判断
∼前回のあらすじ∼
すれ違いました
ドサッ。
「何を…した!」
朦朧とする意識の中、バランスを崩し倒れる、皇帝。
「これは、これは。まだ、分かりませんか?」
「貴方は、今、酸欠に陥ってるんですよ」
「…この壁は、密封された箱!」
「止まった時間で動く余は、空気を倍、吸い込み、一人酸欠となった」
「ご名答。聡明なのですね、皇帝様は?」
馬鹿にした笑顔で、皇帝を煽てる。
「無論…余は、聡明だ。貴様が死ねば、壁も消えると理解した!」
倒れ込んだ皇帝が、振り向き、雷魔法を放つ。
「その程度の魔法、無駄ですよ。」
「マウントウェーブ」
放たれた雷は、隆起した地面に当たり、消え去った様に見えた。
ビリビリビリ!
突然、地面に付けた手から、衝撃を受ける。
「な、な、何!」
雷で感電した男は、そのまま地面に倒れ込んだ。
「あ~あ、殺られたよ。せっかく用意した策が、台無しだ…」
服に燃え移った炎を消した男が、ゆっくりと皇帝に近づく。
「動き出す前に、止めを刺す…最後に、感電させたトリックを聞いても?」
「トリックでは無い!余が炎の中を進む際、水魔法で体を覆っただけの事」
「どうやら私は、濡れた地面を操ってしまった様ですね」
目は覚まし立ち上がろうとしたが、麻痺した体は、まだ動かせない。
「あ、生きてた?」
「あの程度の魔法で、死にはしませんよ」
「じゃあ、密封が解ける前に、俺が皇帝を?」
「その必要はありません。この壁は、私の魔法とは別で出来ていますから」
「俺達も、出られない…そんな話、聞いてないが?」
「この状況を作るまでが、君達との契約です。後は、ご自由にどうぞ」
「俺一人で、外に出ていいんだな?」
「ええ。始めから、そのつもりです」
「ブラックボックス」
男の一人が、闇魔法を使い、箱の中から姿を消した。
「さあ。ゆっくりと、訪れる死を待ちましょうか…」
「おい!あれか→」
瓦礫の隙間から、王女を見つけ、指差す。
「ああああ」
到達したことが無い高さに、叫び声を上げ続ける、小さい男。
「落とすぞ?」
「はい。あれです→」
「よし。落ちるぞ!」
光を身に纏い、人影目掛けて落ちる。
「おーい…避けろ!」
「え?・・・お、お姉様!」
徐々に近づく光の物体が、お姉様であると認識した
が、遅かった。
ドンッ!
空から降ってきたお姉様の足に、私は潰されていた。




