迷いの無い応え
∼前回のあらすじ∼
皇帝が倒れました
「お義母様、段差に気をつけてください」
崩れ落ちた瓦礫の中を進むと、土で形作られた、箱型の建物を見つけた。
「何でしょう。これは?」
耳を澄ますと、箱の中から、音が聞こえてくる。
もしかしたら…誰かが、戦っている?
「きっと、この中に居るわ。早く、入りましょう!」
「入ると言っても…入り口らしき物は、見当たりませんわよ?」
箱型の建物を一周するが、左右、前後、何の変哲も無い。
「あと、可能性があるとしたら…上下だけ」
箱の下は地面、上は瓦礫が乗っていて、調べることが出来ない。
中の様子が解らないと、〈ブラックボックス〉も使えない。
「もう、お手上げです。諦めて、ここで待ちましょう」
「いいえ。箱に穴を空けます。下がって!」
「ウオーターバレット」
箱の壁一点に、水魔法を打ち込む。
しかし、壁には、傷一つ付いていなかった。
「思った通りね。この箱は、唯の箱じゃない!」
「魔力で覆われていて、傷一つ付かないのが、その証拠ね」
「外からの攻撃を受け付けない。これは、誰かを捕らえるために作られた、箱…」
嫌な予感が、脳裏に過ぎる。
もしもこの中で、皇帝が罠に嵌められ、死んだとしたら…
目撃者は誰も出ない。こっそりと帝国まで運べば、問題ないかしら?
ドンッ!
箱の中で、大きな音が響く。
「お義母様・・・彼を信じて、ここで待ちましょう!」
「え?誰を?」
「おい!音の正体は、お前らか?」
片手で首を絞められる小さな男と、片足で踏みつけられる大きな男。
「そ、そうです。と思います」
「思う?」
「私達です!」
「あ~はずれかよ…」
手に掴んだ、小さい男の首を離す。
ゆっくりと、その場から離れようとする、小さな男。
「おい!」
「はい!」
「お前ら、ボスの場所、知ってるか?」
「た、隊長の居場所でありますか…」
「知っているんだな?」
詰め寄られ追い込まれる、小さな男。
「お、お教え致します…」
小さな男は、嘘をつくと殺されると直感し、迷うこと無く情報を売った。
辺りを見回し、現在地を確かめる、小さな男。
「え~まずはですね…」
「方角だけ教えろ」
「方角は、あちらです…え?」
小さな男は、後ろから服を掴まれ、持ち上げられる。
「フラッシュムーブ」
「あぁぁぁぁ」
二人は、光の速さで、空高く舞い上がった。




