罠と罠
∼前回のあらすじ∼
氷漬けにしました
「自分で歩いてよ」
「余は、皇帝!面倒事には、関わらないぞ」
嫌がる皇帝の後ろ襟を引っ張り、公爵の屋敷まで辿り着く。
「な・・・」
「ははは!随分と、派手に壊したみたいだな」
公爵の大きな屋敷は、上半分が抉り取られた様に消えていた。
「急いで、皆の無事を確認しないと!」
「じゃあ、公爵の娘だけでも、連れて帰って来てね」
皇帝を押して、送り出す。
「余、一人でいいのか?」
「か弱い私達が居ては、足手纏いでしょ」
「余は、その娘を知らない。誤って殺しても、文句は、言うなよ!」
「殺す前に、確認すればいいことでしょ」
「はー。貸一つだからな!」
「えっそれは…」
跳躍した皇帝は、門を飛び越え、姿を消した。
・・・どうしよう。”貸”を作ってしまった。
「ちっ!何故、余が、こんな事を…」
「おい!誰だ。止まれ/
屋敷に蔓延る襲撃者を、次々と薙ぎ倒し、奥へ進む。
「!。忘れていた…」
突然、進路を変え、来た道を戻る。
「おい!貴様ら」
「は、はい…」
「娘か?」
「はい?」
「貴様は、娘かと聞いているんだ!」
「い、いえ!違います。男で/
「ならば、死ね!」
皇帝は、手を振り下ろし、薙ぎ倒された襲撃者の首を刎ねた。
「ちっ!面倒だな」
「ひ、ひーーーお、俺は、娘だぞ」
「余に、噓をつくな!」
ザシュー。
「相変わらず、容赦が無いな」
「貴様は…戦場に居た、光魔法の女か」
「ここは、王国の土地だぞ。何故、貴様がここに居る?」
「あの時、殴り掛かって来た貴様が、この国の第一王女だったとは…
”弱すぎて”、思いもしなかったぞ」
ピキピキ。
「”元”王女だぞ、訂正しては?病み上がりだった私の相手が、皇帝だったとは…
”小さすぎて”、考えもしなかったよ」
ピキピキ!
「貴様…再戦を希望か!」
「機会があれば、そうさせて頂こう」
「ちっ!邪魔が入ったな…」
二人の近寄る足音。
「これは、これは。皇帝ではありませんか。本日は、どの様なご用件で?」
「反乱軍の残党狩りをしに、わざわざ、王国まで来てやったのだ。感謝しろ!」
「これは、これは。感謝します。で、護衛の方は?」
「・・・これ←ぐらいだな」
「私が、貴様の護衛になった覚えは、断じて無いが!」
「調子に乗るなよ…」
「貴様は…解放軍の奴か?屋敷の牢から、抜け出したのか」
「元々、彼らを救出することが、依頼でしたからね」
「おい。余計なことを、喋るな」
「これは、これは。すみませんでした」
「先日は、不覚を取った。しかし!今日は、借りを返させてもらう」
「それでは、始めましょうか」
「待て。もう一人は、どうした?」
皇帝の背後にある影から、刃物を持った男が、飛び掛かって来た。




