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勇者が死んだ王都では  作者: 真知コまち


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 騎士団長

∼前回のあらすじ∼


  追《お》い詰《つめ》めました…


 オレンジブラウンの短髪《たんぱつ》と、整《ととの》った顔立《かおだ》ち、何処《どこか》お義兄様《にいさま》の面影《おもかげ》を感《かん》じる

 「王様《おうさま》。只今《ただいま》、魔王領《まおうりょう》より帰還《きかん》しました」

 「騎士団長様《きしだんちょう》がどうしてここに!

  勇者《ゆうしゃ》と共《とも》に魔王討伐《まおうとうばつ》へ行《い》っていらしたはずでは?」

 本当《ほんとう》にどうしてここに!侯爵《こうしゃく》が…いや、状況的《じょうきょうてき》にはお父様《とうさま》が?

 「王都《おうと》にドラゴンが出《で》たと知《し》った勇者様《ゆうしゃさま》が、

  王都《おうと》の無事《ぶじ》が心配《しんぱい》で、眠《ねむ》れない日《ひび》々が続《つづ》くようなので、

  私《わたし》が勇者様《ゆうしゃさま》の代《か》わりに、王都《おうと》に帰還《きかん》した次第《しだい》です」

 やはり侯爵《こうしゃく》が呼《よ》び戻《もど》したわけではないようだ…”味方《みかた》”なのか?

 


 「それで、お主《ぬし》は侯爵《こうしゃく》の話《はなし》が本当《ほんとう》だと申《もう》すのか?」

 「はい王様《おうさま》。

  これまで兵士《へいし》の被害《ひがい》が抑《おさ》えられていたのは、公爵《こうしゃく》の支援《しえん》があったからです」

 「では、横領《おうりょう》もこの国《くに》のためだったと…」

 「お父様《とうさま》、私《わたし》が間違《まちが》っておりました。

  侯爵《こうしゃく》が国《くに》の事《こと》を考《かんが》えた行動《こうどう》だったとは知《し》らず…」

 公爵《こうしゃく》は掴《つか》んだ胸倉《むなぐら》を離《はな》し、頭《あたま》を下《さ》げる。

 「すまない。頭《あたま》に血《ち》が上《のぼ》り暴力《ぼうりょく》を…」

 「いいえ、私《わたし》が横領《おうりょう》した事《こと》は事実《じじつ》、罪《つみ》は罪《つみ》でございます。

 王様《おうさま》!どうか私《わたし》に罰《ばつ》をお与《あた》え下《くだ》さい」

・・・これで侯爵《こうしゃく》を処刑《しょけい》する事《こと》は出来《でき》なくなった、クソー!

 「しかし、どうして/

 「お父様《とうさま》、お話《はなし》はもう終《お》わりましたわ…」

 「う、うむ」

 すべてが有耶無耶《うやむや》となって、終《お》わりを遂《と》げた。



 「王様《おうさま》。改《あらた》めて魔王討伐《まおうとうばつ》より帰還致《きかんいた》しました」

 「ご苦労《くろう》であった。しかし、何故《なにゆえ》、突然帰還《とつぜんきかん》を?」

 「女王様《じょうおうさま》のご命令《めいれい》でございます」

 お母様《かあさま》が!でもお母様《かあさま》は何《なに》も知《し》らないはず、

 「侯爵《こうしゃく》が勇者《ゆうしゃ》の死《し》を知《し》れば、必《かなら》ず利用《りよう》してくるだろう、

  一人《ひとり》、王都《おうと》に戻《もど》り、勇者《ゆうしゃ》の死《し》を偽装《ぎそう》する王様《おうさま》に協力《きょうりょく》する様《よう》に、とのご命令《めいれい》を」

 お母様《かあさま》は、王《おう》も、侯爵《こうしゃく》も、何《なん》なんでもお見通《みとお》しなのだ!

 「それでお母様《かあさま》は、今《いま》どこに!」

 「魔王討伐《まおうとうばつ》に出《で》ていた兵士《へいし》を束《たば》ね、王都《おうと》には戻《もど》らず待機《たいき》されて居《お》ります」

 「そうですか…」

 はー。このまま王《おう》で戦《たたか》うしか無《な》いのか…

「ですが、女王様《じょうおうさま》から伝言《でんごん》を預《あず》かって来《き》ております」

 「でんご/

 「お母様《かあさま》は何《なん》と!・・・あっ」

 言葉《ことば》を遮《さえぎ》られたお父様《とうさま》は、悲《かな》しい表情《ひょうじょう》をしていた…

 「密《ひそ》かに新《あら》たな勇者《ゆうしゃ》を立《た》てる!」



「新《あら》たな勇者《ゆうしゃ》?」

 「魔王《まおう》の領地《りょうち》は、勇者《ゆうしゃ》の活躍《かつやく》により、モンスターの数《かず》が少《すく》なくなっています」

 「そのようだな」

 「そのため勇者《ゆうしゃ》が居《い》なくとも、兵士《へいし》の数《かず》と力《ちから》で魔王《まおう》を討伐《とうばつ》出来《でき》るかと・・・」

 「では、何《なん》のための勇者《ゆうしゃ》なのじゃ?」

 「魔王討伐《まおうとうばつ》の後《あと》、王都《おうと》で行《おこな》われるパレードの主役《しゅやく》となる勇者《ゆうしゃ》でございます」

 そんな勇者《ゆうしゃ》、必要《ひつよう》かな?名誉《めいよ》の死《し》を遂《と》げました、の方《ほう》が自然《しぜん》だと思《おも》うけど…

 「勇者《ゆうしゃ》が、ど(・)ん(・)な(・)形《かたち》であれ、死《し》んでしまえば王《おう》の責任《せきにん》。

  それを避《さ》けるために、新《あら》たな勇者《ゆうしゃ》を立《た》てる必要《ひつよう》があると、

  女王《じょうおう》は、お考《かんが》えの様《よう》です」

 流石《さすが》ですお母様《かあさま》!素晴《すば》らしいお考《かんが》えです…

 「なるほど。だが、魔王《まおう》の力《ちから》は並《なみ》の強《つよ》さでは無《な》い!

  本当《ほんとう》に勇者《ゆうしゃ》無《な》くして、討伐出来《とうばつでき》るのか?」

 「・・・問題《もんだい》ないかと。兵士《へいし》の士気《しき》は高《たか》く、被害《ひがい》もほとんど出《で》ていません。

  魔王《まおう》がどれほど強《つよ》くとも、今《いま》の我《われわれ》々が負《ま》ける事《こと》はありません!」

 じゃあ、何《なん》で勇者《ゆうしゃ》が死《し》んでいるのかな!

 どうせ、今《いま》までは勇者《ゆうしゃ》のおかげで、被害《ひがい》が無《な》かっただけだろう

「!」

 騎士団長《きしだんちょう》は何《なに》かを感《かん》じ取《と》る。

まずい!目《め》が合《あ》った…心《こころ》の声《こえ》が顔《かお》に出《で》ていたか?

 「お父様《とうさま》!早速《さっそく》、新《あら》たな勇者《ゆうしゃ》を探《さが》しましょう」

 「いや、しかしまだ・・・」

 「早《はや》くっ」

 「は、はい」

 

【急募《きゅうぼ》‼、実力者《じつりょくしゃ》を求《もと》む。~詳《くわ》しくは受付《うけつけ》で~】

 「あのーこれは…」

 「参加希望《さんかきぼう》の方《かた》ですね。こちらへどうぞ!」

∼あとがき∼

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