2 証拠隠滅
読んで戴けたら嬉しいです❗ヾ(o゜ω゜o)ノ゛
和生は亜沙美のマンションを出ると途中コンビニに寄ってサンドイッチと飲み物を買って帰路に着いた。
家に着く頃にはすっかり雨は止んでいた。
和生はまず車の後部座席が血などで汚れていないかを確かめる。
ここからは殺人の証拠隠滅で忙しかった。
総てを終えて時計を見ると午前5時を回っていて、カーテンの隙間から覗くと外はすっかり明るくなっていた。
何かを見落としてはいないかと心配はあったが、和生の疲労は頂点に達していた。
這うようにしてベッドに潜り込み引き摺り込まれるように眠りに堕ちた。
暗闇へと墜ちていく感覚。
水が滴る音がする。
光の欠片さえ無い空間では総てが黒に塗り潰され、墜ちていく感覚だけが確かな情報だった。
そこには不思議と恐怖は無かった。
夢なのだろうと無意識に感知していたのかもしれない。
そっと地面に降りた。
立ち上がるが何も見えない。
何か聞こえる。
誰かがすすり泣くような音が次第に近付いて来る。
それは間違い無く女のすすり泣く声だった。
振り返ると光も無いのに背中を丸めすすり泣く女の姿が見えた。
女は段々声を大きくして嗚咽を始める。
仕舞いに喚くように泣き出した。
和生は患者に言うように話し掛けた。
「大丈夫ですか?
何処か痛みますか? 」
女はピタリと泣くのを止め、和生を振り返る。
頭から血を滴らせた瑶羅の顔が和生の視界に飛び込む。
「お前を呪ってやる.....! 」
和生は自分の悲鳴と供に目を覚ます。
起き上がると供に咳き込む。
喉に違和感がある。
和生は激しく咳き込み、口を覆っていた手のひらに喉から何かを吐き出した。
見ると黒々とした髪の毛が粘液と供に絡まって固まりになっていた。
どう見てもそれは人間の髪の毛のように見え、和生は背中がさわさわと冷たくなるのを感じた。
慌てて洗面所に駆け込みうがいをする。
コップに水を入れてはうがいを繰り返すうちに水に混ざって何かが口の中に入った。
コップを離すとその何かは口からぶら下がり顎に貼り付く。
顔を上げ鏡でみるとそれは髪の毛だった。
和生は直ぐにそれを吐き出した。
出しっぱなしの蛇口から髪の毛の混ざる黒い水が勢いよく放出された。
それと供にカビの陰湿な匂いが充満して来る。
髪の毛は排水口に固まり、黒い水が洗面台に渦を描きながら溜まって行く。
異様な光景に引いた和生は後退りする。
壁に背中がぶつかるとその場に座り込んだ。
やがて洗面台から髪の毛が混ざる黒い水は溢れ出し床を這いだす。
溢れて床目掛けて落ちて行く髪の毛は何故か直線に落ちて行った。
その様は背中をユラユラ揺れる瑶羅の髪を思わせた。
黒々とした鴉の濡れ羽色の艶やかな髪は瑶羅の自慢だった。
だから、決して髪を染めるような事はしなかった。
いつもブラシを持ち歩き、外を歩いた後は決まって化粧室に入り髪を整えていた。
そんな事を不意に思い出した。
水道局に直ぐにでも電話したかったが時間はまだ7時になったばかりだから営業してる筈も無い。
まだ髪の毛が口の中にへばり付いてるような気がする。
ティッシュを2、3枚引き抜くと口の中を拭った。
口の中がまだ気持ち悪かったが、和生はスマホで電話を掛け始める。
まずは瑶羅の実家に掛けた。
出たのは瑶羅の母親の秀子だった。
瑶羅が朝になっても帰ってこないので、そちらに行ってないかと訊くと秀子は来ていないと答える。
当然である。
瑶羅は淀みの河の水底に居るのだから。
秀子は「放って置けばその内ひょっこり帰って来るでしょう」と言って笑った。
「そうでしようね」と和生も笑う。
「朝早くからすみません」
「ごめんなさいね、あの子本当にわがままだから大変でしょう」
和生は笑いながら言う。
「そんな処も瑶羅の魅力ですよ」
「あらあら、朝早くからお惚気なの? 」
秀子はイタズラっぽく言う。
秀子の電話を切った後も和生はあちこちの友人知人の家に同じ内容の電話を掛け、いかにも妻が心配でならないと云う夫を演じた。
それから普段どおりジムへ行き身体を解すとシャワーを浴び病院へと急ぐ。
病院に着くと秘書の園江成海が分刻みの予定を読み上げる。
園江に、水道局への電話を頼むと、そこからは瑶羅の事など考える暇も無いほど忙しく、雑務に追われた。
おそらく警察は殺人と事故の線から瑶羅の死因を調べるだろう。
一端、いる筈の無い瑶羅の帰宅を確かめに家へと帰り既成事実を作る。
家に着いた和生は夕べの証拠隠滅が完璧なのかを確認してから、再び車で警察へと向かった。
警察署ではみっともないほど感情的に振る舞い、妻を心配する夫を演じた。
1人の警官が和生の話を聞いてくれたが、おあつらえ向きにやる気が無いのが見え見えで、捜索願の書類を和生に書かせると言った。
「一晩帰らないと云うだけでは人員を割く訳にはいかないんですよ、ご主人
子供じゃ無いんですから、きっと今頃けろりと帰ってるんじゃないですかね」
「そ、そうですね」
憔悴しきった顔で、和生はすごすごと警察署を出た。
家に帰った和生は、堪えていた感情が吹き出した。
和生は玄関で腹を抱えて笑う。
一番恐れていた警察があの調子では、例え瑶羅の死体を見付けた処で殺人事件を解決することは無いだろう。
何もかもが自分に味方しているように思えた。
和生は鼻歌を歌いながら、バスタブにお湯を張るため蛇口を開く。
黒い水も髪の毛も出てこなかった。
どうやら水道局で直して行ったようだ。
園江の報告では明日の昼に状態を見に来る予定だったが、直っているならわざわざ昼休みを返上して帰って来る必要は無いだろう。
バスタブにお湯を張っている間、和生はリビングで夕べ買ったサンドイッチを噛りながら、今朝は電話で忙しくて見ることができなかった新聞を読み漁った。
読んで戴き有り難うございます❗<(_ _*)>
自分で踊るのも好きですが見るのも大好きなんですよ。
自分で踊るのは歳が歳なのでもう随分前に諦めました。笑笑
ダンス上手いとか下手とかわからないのですが、Snowman のダンスはいつも観ていて凄くすっきりします。
きっと凄く上手いんだろうなと思っています。
そんなSnowman は元は6人でデビューする一年くらい前にめめとラウールくんとコージくんが加入したのですが、その3人を認めないファンもいるようで。
それはいいんですけど、私が驚いたのは自分の思い通りにならないのが気に入らないのか、「6人の時支えてやったのは誰だと思っているんだ」とのたまくファンが居たそうで、随分酷いこと言うファンも居るんだなあと思いました。
ファンなら演者の倖せを願うものなのじゃないですかね。
随分自分本意なファンもいるもんだと思いましたよ。
多分そのファンは支えると同時に支えられてた筈なのに、あんな酷いこと言っちゃうことできるってのが、もうファンのやることじゃないなと思いました。
近頃のファンは言って良いことと悪い事が解らないんですね。
凄く恩着せがましいこと言って、恥ずかしくないんですかね。