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異端者が送る異世界冒険記  作者: 小豆
1章 ゼラニウム
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01話 現状確認

 じっと、目の前の人物を凝視する。

 しばしの沈黙の後、語りだした。


 『……貴方はさっき殺されかけてた。術者の罠に完全に嵌っていた』

 

 ―殺されかけた?

 それに罠とは一体何のことだろうか。

 

 「……最初からだよ。あの空間自体、架空のもの」

 「……あんな大掛かりなもので殺しにくるなんて、貴方相当恨まれてるね」

 

 空間自体?

 常識外の話ばかりで頭が混乱する。

 

 取り敢えず間一髪の所で助けてもらった、と言う所だろうか。


 「そうだったんだ、ありがとね」

 『……助けたのはただの気分、だからお礼なんて要らない』


 救われたことは事実であるから感謝はしておく。

 それより、あの世界が作り出されたものであるなら此処は一体どこなのか。


 「あのさ、じゃあここってどこなの?」

 「……ここは、貴方が知ってる世界とは別の世界」

 「……さっきまで居た場所は、貴方の元居た世界とこの世界の間みたいな場所に存在してたものだから、私を恨まないでよ」


 救われた身で恩人を恨むなんてとんでもない。

 それよりも、会話の度にワンテンポ置くのがどうしても気になるのだがどうにかならないだろうか。

 なんて言えるはずもない。


 「分かった、それでさこの世界のこと私何も知らないから教えて欲しいんだけど、どう?」

 「……こっちに連れてきた責任は取る、元の世界に戻る手伝いはしてあげる」


 あの場に干渉するだけの力があるのであれば、元の世界に返すのなんて簡単なのでは、と一瞬考えたが、この口ぶりからして恐らく無理なのだろう。

 

 「ありがとう」


 素直に感謝しておくことにした。

 すると、目の前の人物が少し照れくさそうにしてるのが分かる。

 

 (あ、感情あったんだ)


 さっきまで言葉の節々に感情の一つも感じ取れなかったため、感情の起伏が無い人間だと思い込んでいたがどうやら違うらしい。


 「それで、これからどうするの?」

 「……取り敢えず、町を目指す。貴方の格好、結構怪しいし。…付いてきて」

 

 そんなに怪しいだろうか。

 ファッションに疎いのは確かだが、そこまで怪しい服装をしてるわけではない。


 (どちらかといえば、私からしたら貴方のほうが怪しい服装してるんだけどなぁ…)

 

 そんなこんなで、取り敢えずの指針が決まった二人は町を目指して歩き出すのだった。

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