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ガールズトーク

 わたしは美玖と詩歩にラジオドラマをやることをざっくりと説明した。

「えええ、大丈夫?」

「女子一人でしょ。何か手伝おうか」

「大丈夫」

 ここでわたしが他のメンバーを迎えてしまったら、補習メンバーだけでやるという約束が壊れて、みのりが関わる可能性が出てしまう。ありがたいけど、この二人には手伝ってもらってはダメだ。

 けど、これを機に言おう。

 タダシ君のことが好きだっていうこと。

 そして、ラジオドラマには直接関わらないけど、協力してもらおう。

「それでね、二人に言っておきたいことがあって」

「え? 何?」

「どうしたの?」

「今までね、言えなかったんだけど、わたし、多田のことが好きなの」

 二人は、一瞬黙った。

 うわああ。きっと、趣味悪い、信じられないって思ってるんだろうな。

 さんざん悪口言ってたから、どんなフォローすればいいんだろうって迷わせてるに違いない。

「多田か~。良かった」

 詩歩がホッとしたように言った。

「え? なんで」

「多田ね。そっかそっか」

 美玖も安心したように笑った。

 予想外の笑顔が怖い。

「え? やっぱり、趣味悪いとか思った?」

「うううん、まあ、ちょっと意外だったけど、よかった」

 詩歩が「よかった」を連呼する。

「なんで?」

「え、だって。わたしさ、実は、二逆のこと、いいなっと思ってて、補習に二逆がいるって聞いて、ちょっと嫉妬してたんだよね」

「そうなの?」

「うん、もうバレてるかと思った。ってか、二逆ってかっこよくない? 背が高い理系のメガネ男子って、萌えるんだけど」

「確かに詩歩のタイプだね。脇役メガネ男子」

 美玖は納得してる。わたしも気付かなかったのが不思議なくらいだ。

 詩歩の反応はそういう意味か。じゃあ、美玖は?

 タダシ君でも、二逆でもないとすると。もしかして美玖、みのりと付き合ってる噂話を自分でしておきながら、ひそかに作間のこと好きだったとか? それとも、え、山田? さんざんディスってたのは、愛情の裏返し?

 わたしは恐る恐る聞いた。

「美玖も好きな人、補習メンバーにいるとか?」

「うん……」

 やっぱり作間? 山田? どっち?

「ちょっと違うけど」

「違う?」

 もったいぶる美玖にイライラしつつもドキドキした。

「尾路先生」

 オジ センセイ

「うそー」

「マジで」

 詩歩と二人で思わず叫んでしまった。

 勝手に二択にしてたのでびっくりしたけど、確かに美玖のタイプは筋肉バカだ。しかも、ガキお断りだから、年上が好きってのもうなずける。

 じわじわと納得してきた。詩歩の二逆と同じように、なんで今まで気付かなかったんだろって気持ちの方が大きくなっていく。

「そっか~。はははは」

 笑いがこみ上げてきた

「だから、その補習、ってかラジオドラマ羨ましすぎるんだけど~」

「ほんと、ほんと。乃璃香ズルい」

 二人に責められるが、なんだか嬉しくなってきた。

「わかった。わかった。二逆と尾路先生のこと、いろいろ情報提供するからさ」

「絶対だよ。自分だけさっさと仲良くなって、秘密とかナシね」

「何かあったら教えてよ、ウチらのこと相手にしなくなるとか嫌だからね」

「もちろんだよ。ってか、二人だって抜け駆けすんなよ」

 三人で抱きしめあった。

 恋する女の子。お互いの好きな人の話して楽しい。

 ああ、なんかやっぱり小学校の時とは違うなって感じする。

 ちょっとだけ、大人になった気分。


 みんなの想いが叶えばいいな。

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