9話 再婚
柊と付き合うことになった雫は…
陸に話をすることにした。
陸は5年生になっていて、柊は担任を外れていたけど…
大丈夫かな…
「陸、話があるんだけど…」
「何?」
「実は、お母さん好きな人が出来たんだ…」
「えっ…」
陸の顔色が変わった…
「実は、陸も知ってる人なの…」
「誰?」
「柊先生なんだ…」
「えー!!マジで?」
「うん。マジで…」
「俺、柊先生のこと大好きだから嬉しい」
「今度、陸とも会いたいって柊先生言ってたから、みんなで遊びに行こう」
「うん!」
思ったよりは…いい反応だったかな…
それから、雫と柊と陸は着々と付き合いを深めていった。
でも、ある日…
学校のお母さんが、みんなで一緒にいる所を見たらしく…
噂になってしまった…
柊は、校長から呼び出された。
「君が、陸くんのお母さんと付き合っていると噂が立っているが…本当か?」
と言われ…
柊は
「本当です。真面目にお付き合いしており結婚も考えています」
と答えたそうだ…
柊は、雫にその話をした後で…
「本当に結婚は考えてた。結婚して下さい」
と言ってくれた…
雫は
「陸のこともあるし…考えさせて」と言った。
どうしようか?
このまま柊と結婚して大丈夫だろうか?
雫は、一度失敗しているから…
結婚に臆病になっているのは確かだ。
でも、柊への気持ちは噓じゃない…
悩んでいると…
テツが現れた…
「雫ちゃん、どうしたんだい?」
「私…柊さんにプロポーズされたんだけど…どうしたらいいか悩んでるの…」
「そうか…じゃ、いつものように映像を見せるよ」
柊と結婚した場合…
陸も楽しそう…幸せそうに笑っている雫がいた。
柊と結婚しなかった場合…
雫は、他の人と結婚していた…でも、また浮気に悩んでいる
そんな映像だった…
「決めるのは、雫ちゃんだよ」
「じゃ、またね」
と言って、テツは消えた…
雫は、どう考えたって柊と結婚した方がいいに決まっている。
そう思った…
陸に…
「お母さん、柊先生と結婚しようと思う…陸はどう思う?」
「俺は、賛成だよ。お母さんが結婚したいなら、それでいいと思う」
そう言ってくれた。
雫は、結婚することに決めた…
それから柊の両親に会った…
柊は、初めての結婚だし私は年上だし…
気が引けていたけど…
両親は、思ったより祝福してくれて…
初めて会った陸のことも可愛がってくれた…
雫の両親は、大喜びだった。
こんなに幸せでいいのかな…
と少し不安になったけど…
何より雫は柊のことを愛している。
柊と一緒に、幸せになりたいと思った…
ずっと、幸せの意味が分からなかった…
幸せって、人から見て思うことじゃない。
自分が幸せって思うことが大事なんだよね…
柊は、翌年転任することになったけど…
雫と柊は、みんなに祝福されて結婚をした…