私はかわいそう
こんなにたいへんなのに。こんなにがんばっているのに。
誰も褒めてくれない。誰も手伝ってくれない。
夫は何もしてくれないし、子供達は返事をするだけだった。
親戚だってそうだ。最初はがんばっているね、と言ってくれていたのに時間が経つにつれて手のひらを返したようにそっけなくなった。
体調が悪くなって病院に行ってもお医者さんは薬を出すばかりで何か治療をしてくれるわけじゃない。こうしよう、ああしよう、というだけで行動には移してくれなかった。
なんて薄情な人なんだろう。もっと親身になって私の話に耳を傾けてくれてもいいのに。何回か『それは嫌だ』と言ったらその治療はしないことになり、薬を飲む量が増えただけだった。
ああ、よかった。これで治療をしなくて済む。
そう思っていた。その後、近くの病院に行ってみれば『この薬を長い期間飲めば効きにくくなる』なんてことを言われた。それどことろか今の状態だと週に3回の治療が必要だと言われてしまった。
あのお医者さんはそんなこと言ってなかったのに!
誰も彼も、私のことを考えてはくれない。
そう思っていたけれど。
「それは大変でしたね」
今は近所の人が私の話を聞いてくれるついでに回覧板を届けてくれる。
「あなたは何も悪くないですよ」
そうでしょう、私は何も悪くないわ。頼んでも何もしれくれない夫と離れて暮らしている子供達、何もしてくれない親戚たち。
「あなたはがんばっています」
そうでしょう、なのに子供は勝手に親戚の家に転がり込んで、親戚は私たちを罵倒する。
「いけないのは周りの人たちだわ」
そうでしょう、ろくに治療してくれない医者。私の話を聞いてくれない夫、家に戻ろうとしない子供達、冷たい親戚たち。よくないのは周りの人たちだわ。
どうして誰も私に優しくしてくれないのかしら。
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