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We ourselves are attached to material bodies, can only go on into the absolute future.
アルバムについて話を進める。
このアルバムは音楽もさることながら、特筆すべきは「カーボンオフセット」CDであることだろうか。
アーティストご本人の意思がこれ以上はっきり現れている実物はない。「テクノポップ」と呼称されるサイエンス・フィクションな科学楽器の著名たる演奏者にも関わらず「彼」は「自然」への関心が深い。
活動初期のビビットな色合いから比較すると随分と色彩感覚が異なる。アルバム自体は白い上質紙に色鉛筆の軌跡を重ねた表紙。残りはシンプルな黒文字や数字で纏められており、書体含めてシンプルかつ複雑になっている。
非常に「余白」が多いアルバム。しかし、現在までの活動期間全体からすれば「彼」の音楽は計算されて作り出された科学的な「音楽」と考えられる。従って、本アルバムは記録された音も含めて「異質」な構成となっている。
美しいコントラストで魅せる流れるような英語も含めて「モダンアート」と評する美しいアルバムのその内側には、コメントが寄せられている。
「何かをじっと凝視しているような」