レコードを良い音で聞くために
「……逃げるがいい。私は追いはしない。が、かかってくるものは全て殺す」
「て、てめえ……このクソガキがああああ!」
アリシアに向かっていっせいに襲いかかる男たち。その中央でアリシアは舞う。くるくると。彼女の戦う姿は美しく、そして優雅であった。――襲撃者たちはひとり、またひとりと倒れていき、やがて動くものは誰もいなくなった。
戦いが終わり、少し乱れた美しい銀色の長い髪を、右手で軽く整えながらアリシアは言った。
「……バカな人達」
金色の瞳を少し悲しげに輝かせると、アリシアは静かにその場を後にした。
なんて。
いや何を言いたいかと言いますとですね。
ほら、よくあるチートヒロイン(ヒーロー)って、すごい強いじゃないですか。100人ぐらいに囲まれても全然ダイジョブみたいに。
でも現実はもちろんそんなことはなくて。
横綱の照ノ富士とか、すごい強いですけど、でも例えば幕下のお相撲さん3人に囲まれたら、たぶん負けますよね。
それは空手とか剣道のチャンピオンでもそうだと思います。相手が二人がかりならたぶん負ける。
つまり現実には人間ってトップと普通の人の差って、あんまりないと思うんですよ。
で、実はオーディオもそうなんです。レコードプレーヤーとか1000万越えとかざらにあるんですけど、じゃあそれは5万のプレーヤーの200倍凄いのかって言うと、そんなことはないんですよね。
もちろん違いはあります。買う人はその違いが重要で1000万を出すのでしょう。でも私のようなあまりお金のない人は、そこまでしなくてもよく考えて選択すれば、それで十分楽しめるものがあるのですよ。
上記のアリシアちゃん(仮)のように最高級のレコードプレーヤーじゃなくても……そう、D級冒険者ターンテーブルが主人公でも結構楽しめるんだよ、と言うことが言いたかったのです。なんか回りくどくてすみません(笑)
さてさて。
前回はオールインワンのレコードプレーヤーのお話をしました。
それで2万だせるならデノンのが「私は」いいなあ、と言うお話でしたね。
でも実はデノンのプレーヤーはアンプとスピーカーがないのです。
だから別個必要になります。
でも二つ別々に買うと面倒だし値段も高くなりますよね。
というわけで、まずはその二つがいっしょになったやつ。アンプ入りスピーカーというものをつなげてみましょう。
アンプ入りスピーカーにはPC用スピーカーと呼ばれているものがあります。それだとロジクールとかいろいろあるんですが、5千円から高くても1万ぐらいでしょうか。安いし音もオールインワンと同じくらいには出ます。
安いって魅力的ですよね。
すごく。
でもこれだとオールインワンとあまり変わりません。もうちょっと頑張ると、もっといい音が出せるのです。
ちなみにこういうアンプ入りのスピーカーをパワードスピーカーとかアクティブスピーカーって呼びます。アンプなしはパッシブスピーカーですね。単にスピーカーって言うだけの場合はアンプなしのパッシブスピーカーの方を指します。
さてアクティブスピーカーのおすすめはオンキョーの5万ぐらいのものだったのですが……残念ながらオンキョーは撤退してしまいました。今ある製品は在庫のものしかありません。
おしいですね。これさえあれば、もうあとは何もいらない、そんなスピーカーだったんですけどね。
GX-500HDというものです。オンキョーの最後を飾る最終技術にささえられた音の良さ、使い勝手の良さは私の一押しです。
絶対買って損はしないですよ。
あ、中古は注意してくださいね。特にアクティブスピーカーは。
さて現在手に入るものではJBLや最近だとEdifier とかが2万ぐらいで売ってます。もちろんこれもいいです。PC用スピーカー・オールインワンよりかなり音が良くなります。
そういうわけでこれで終わりにしてもいいのですが、さらにがんばると、もうちょっと良い音を出すことができます。
でもそのためにはやっぱり、アンプとスピーカーは分けて別々のものを買った方がいいんですよ。
もちろんご予算に応じてですが。何度も言う通り安いからダメっていうことはないです。それぞれの楽しみ方があるのです。
アンプは5千円ぐらいからあるNobsoundとか有名ですね。コンパクトで大出力。中国製ですが日本のアンプにない優れた性能を持ってます。
5万前後になるとヤマハとかデノンとかマランツというメーカーが出てきます。
特にマランツは秀逸で、フォノイコもついてるし、同軸・光ケーブルのあるTVと接続もできます。
このアンプ買っちゃうと、もうあとは買わなくていいんじゃないかな? と思うくらい優秀で多機能です。
音いいですよ。
高いですけどね。
でもこれさえあれば、それこそ100万円クラスのスピーカーでもきっちり鳴らすことができます。Nobsoundはやはりスピーカーがそのクラスになると、どうしても長所より欠点が目立ってきます。
軽自動車は便利です。人も荷物もたくさん載せて燃費もよく、町の中をすいすいと走ります。でもラリーのようなレースには向きません。アンプも同じようにそれぞれの利点・持ち味があるということです。
アンプやスピーカーの話はまた後日しっかりとしようと思っていますが、今回はこの程度にしておきたいと思います。レコードプレーヤーの話をしたいので、とりあえず5万ぐらいのアンプとそれに合わせて5万ぐらいのスピーカーと言う設定で話を進めます。
何事もバランスが大事だよね。
スピーカーについて少し。
5万としたのは理由があって、このクラスがだいたい一つの区切りなのです。これ以下のまあ2万ぐらいのスピーカーとは明確に音が変わります。
そしてこれ以上の、例えば40万とか100万とかのスピーカーとはあまり差がないのです。
そういうわけでこのクラスは大変お買い得になっています。メーカーもかなり力を入れていて、たくさん種類が出ています。私のおすすめはDALIとYAMAHAですかね。特徴としては雰囲気・歌うダリ、繊細さと静寂さのYAMAHAでしょうか。
さていままであげてきたシステムの予算ですが、まとめると
1、オールインワン 1万円強
2、2万ぐらいのスピーカーのないプレーヤー
+2万ぐらいのアクティブスピーカー 4万(余裕を入れて5万)
3、2万ぐらいのスピーカーのないプレーヤー
+5万ぐらいのアンプ+5万ぐらいのスピーカー 12万ぐらい
となっています。結構高くなってきました。
ちょっとおいそれとは購入できない、高い金額ですね。
でも一度買ったら、10年以上使えます。そして5万円のアンプはTVにつないでサウンドバーの代わりにも使えます。
うーん、サウンドバーと比べて音はどうなの?
それはですねえ……このシステムを買ってしばらく聞いてから、家電屋さんのサウンドバーやミニコンポのコーナーに行ってみてください。
絶対驚きます。まちがいなく。
そのぐらい差があります。それがたとえ10万のサウンドバーであったとしても。
まあそういうわけで、思ったよりやす………………やっぱり高いですよね(笑)
なのでもし購入する際は、必ず試聴してからにしてくださいね。
さてさて、それじゃ本題のレコードプレーヤーのお話です。
現段階でかなり高額なので、これ以降はこういうものもあるんだよ、という意味でお読みください。
もちろん買ってもいいんですよ。(悪魔のささやき)
さて2万のプレーヤーを先ほどあげましたが、アンプ、スピーカーが5万だとやっぱりプレーヤーも5万ぐらいにしたいものです。
このクラスはデノンとかオーテク、ティアック、ヤマハなどなどと、より取り見取り。激戦区になってます。
2万のより音はいいです。でもあまり差は感じないかもしれませんね。
でもこのあたりを「本格的」といったりしますので明確な違いはあります。
DENONは力強さ、それ以外は繊細さが特徴でしょうか。どれもすばらしいプレーヤーです。
さらに予算があれば10~15万のプレーヤーもあります。この辺りはメーカーのトップクラスのレコードプレーヤーも多く、当然ですが一番良い音を出してくれます。またレガとか外国製のものもこの価格帯でしょうか。
しかしまあ……各メーカのトップではあるのですが、聞きようによっては5万のとあまり差は感じないかもしれません。違いはあるのですが、それをどうとらえるか? ですね。
差があまりないならいらない
いや、その差が大切
どちらも正しい判断です。
さてさて……ところでこの上もあります。
30~40万クラス。ここで有名なのはラックスマンとテクニクスでしょうか。このあたりから単なる音の良さだけではなく、色気と言うか雰囲気と言うか……それぞれ特有の「良さ」というものが出てきます。
単なる音の良さではないんですね。だから、「こっちは嫌い」って人も出てきます。
ラックスマンの特徴はやはり「情熱」でしょうか。
とある山小屋ですがラックスマンで固めたシステムを整備してて、夜、それで音楽を聞かせてくれます。
すばらしいですね。
あとJAZZが好きな人はラックスマンが好きな場合がけっこうあります。そういうわけでJAZZ喫茶によく置いてあったりします。
テクニクスは以前からの伝統でレコードには強いです。駆動方式がダイレクトドライブという方法で他と異なります。昔はけっこうダイレクトドライブが流行ったのですが、今はテクニクスとデノンぐらいでしょうか。
お年寄りの中には今のダイレクトドライブは昔の精密なモーターの技術が失われたのでダメだ! と言われる方もいるのですが、まあ、そんなことはないでしょうね。
テクニクスもOBに技術指導をきちんと受け、技術を受け継いでいます。
論拠の一つにワウフラッターと言う精度を調べるものがあるのですが、計算方法が新しくなったためどうしても低く出る傾向があります。そのあたりを加味するとほとんど差はないそうです。
音は速さ(勢い)と緻密さがある……という感じでしょうか。あくまで私個人の感想です。
そして……まだあるんですよ。100から150万クラスが。
ヤマハ、テクニクス、マッキントッシュ、リンなどなど。
じつはここも激戦区となっています。
恐ろしいことにレコードプレーヤーは今、主戦場が100万以上になってきているんですね。
困ったものだ。
まあちょっと買えないですが、いろいろでています。LINNのLP12とかは有名ですね。ヤマハ、テクニクスのトップモデルもこの価格帯です。
音はいいですよ。すごく。
買える人はうらやましいですね~。ま、中古もあるのでそれならば買えるかも(笑) 冒険者で言えばさしずめA級冒険者と言ったところでしょうか。
それで、ですね。さらにその上があるのです。……って、最初から1000万のレコードプレーヤがあるって言ってましたものね。
200万以上のレコードプレーヤー。いわばS級冒険者ってところでしょうか。
テクダスとかSMEとか、最近ではエソテリックが800万クラスのを出しましたね。
よほど金を捨てたい人がいるんだな……
いやいや。
理性理性。
なんだかチートヒロインを襲うD級冒険者のやられMOBの気持ちがわかったような気がします。
なんて(笑)
まあ実際の音に関しては、私の耳では5万のプレーヤーとさほど変わらなかったので、あまりほしいとは思いません。
ほんとだよ?
でもくれるっていうなら、もらってあげようかなあ~。誰か買ってあげるよ~、っていう人がいたら教えてくださいね。
さてさて、それでは今回はここまでとしたいと思います。音場、音像なども書きたかったのですが、それはまた次回に。
ご覧いただきありがとうございました。