第六話 ライスの正体
「おーーい、ライスー。」
栗原がトイレの中で叫んでも返事が聞こえてこない。そして、4人で手分けして探してもいなかった。
ヨッシーが笑いながらこう言った。
「もしかして、女子便?」
3人も笑った。栗原が否定する。
「ま、まさか、そんなわけないでしょ?」
「じゃあ、お前が見てくればいいじゃん。」
「え!?」
栗原の耳が真っ赤になる。なんで、俺が女子便入んなきゃいけないんだーー!!
ヨッシーとランディが栗原を無理やり、女子便の中へ押し込もうとする。サルはぼーっとしている。
「ちょ、は?やめーーーーい!!」
しかし、2人はやめようとしない。結果、2対1なので力の差で負けてしまい、栗原は女子便の中に押し込まれた。栗原は、あきらめ女子便の中を探索する。こんな所を女子に見られたらおそらく、冷たい視線をはなたれるだろう。
栗原は、しばらく探したが、ライスは見つからなかった。女子便から出てきて、ヨッシーとランディに「いなかったよ」と告げる。そして、こう続けた。
「もしかしたら、もうゾンビにやられちゃってしまって・・・いるのかも。」
「わしがか?」
突然、どこからかおじさんの声が聞こえてきた。それも、どこかで聞いたことのある声。そして、ヨッシーとランディと栗原の前に老人が現れた。栗原が声を上げる。
「校長!」
校長はにやりと笑った。
「フォフォフォフォ・・・。ライスならわしじゃよ。」
な、何を言っているんだこいつは。
校長は、3人の頭上に疑問符が現れているのに気が付き、何かを取り出した。
「その証拠に、ほれ、ケチャップ。」
「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」
3人は驚いた。なんと、校長がケチャップを取り出したのである。ちなみに、ライスと言えばケチャップ、ケチャップと言えばライスという、よく分からない法則が栗原たちの脳内にある。つまり、こいつはライスだ!?
「う、うそだろ・・・。」
ヨッシーが弱弱しい声を上げている。
「うそではない。わしは、わしが開発したこの誰にでも変装マシーンというものを使って、今までずっと、ライスに変装していたのじゃ。フォフォフォ・・・。ライスの正体を知られたからには、優勝させるわけにはいかないのう。・・・。覚悟するのじゃ!!」
校長はゾンビを2体置いて行って逃げていく。
「ま、まてっ!」
栗原が追いかけようとするが、ゾンビに邪魔されていて進めない。どうやら、こいつらを倒さなければいけないようだな。
ランディとヨッシーをみる。もう、彼らは戦闘態勢に入っていた。
「「ヴォーーー!」」
栗原もマシンガンを手に持ち、戦闘態勢に入る。
それにしても、このゾンビ2体、誰かに似ている・・・。まさか!!!!!
「キンギョとスパイダーなのか!?」
よく見れば分かった。なぜなら、1体は眼が金魚で、もう一体は頭の形がピーナッツだからである。
栗原はキレた。
「くそぅ!許さないぞライス!!やってやろうじゃないか!!」
しかし、その動きもぴたりと止まった。あれ・・・?そういえばサルもいない・・・。
「ランディ、ヨッシー!!サルは?」
「「あ。」」
どうやら、二人ともサルの存在を忘れていたようである。でもまあ、とりあえず、目の前にいるこいつらを倒すとするか。
栗原たちは、ゾンビに戦いを挑んだ。