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下の子、起きてるね

 大学生の頃、私はほんの一時だけ寮に入っていた。

 二段ベッドが3組置かれた部屋で生活していた。

 すぐにそこを出て下宿暮らしをすることになるのだが、それにはある理由があった。


 その部屋では昔、ヤーヤとサーヤという女の子二人が仲良く首吊り自殺をしたという噂があった。

 夜な夜な二人が並んで現れて、会話をしているということだった。

 しかし霊感の強いことを自覚する私でもお目にかかることはなく、よくあるただの噂なんだろうと思っていた。

 その夜までは。


 深夜だった。

 皆が寝息を立てて眠っている中、私はふと目を覚ました。

 私は二段ベッドの下の段で寝ており、その部屋には5人の学生が寝ていた。

 3組6台の二段ベッドに5人。つまりひとつのベッドは空きがある。

 私の上がその空きベッドだった。

 その、誰もいない筈の上のベッドから、白い4本の足が、ぶらぶらとぶら下がっていた。

 上に誰か、二人、いるのだ。


 二人は会話をしていた。

 若い女の子の声だ。

「みんな寝てるね」

「そうね」

「うらやましいね」

「そうね」

「サーヤも寝ればいいのに」

「そうね」

「あたしも寝るよ。そうしたら」

「そうね」

「そうしたらこの部屋には眠りだけが訪れる」

「そうね……。あら? でも……」

「うん」

「どうする?」

「下の子……、起きてるね」

この話は私の実体験ではありません。

中国の有名な怪談からネタをお借りしました。

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