プロローグ
初めて執筆しましたARIAです!
初心者ですが、是非読んでみて下さい!
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Prolog
蒼嵐235年
ひゅぉぉぉぉ
冷たい風が痩せこけた2人の男女の頬を撫でるように通り過ぎる
海の音がすぐそばで聴こえる。
そんな場所だ
「王子殿下、お考え直しを」
薄汚れた服を着ている男、雪華国第3王子、雪華 朱優に必死に縋り付く女。こっちも薄汚れている。女の手には綺麗な服を来た赤ちゃんがいる
「もう、国は滅びたんだ…俺は王子じゃない。李彩、普通に呼んでくれぬか?」
李彩と呼ばれた女は顔を上げた。
その顔は絶望で打ちひしがれている
「はい…朱優様…ですが!囮になるならこの私が!」
李彩はそれが無駄だと知っている。
朱優はそれを良しとはしない
けれど、李彩にとって大切な主君だ
朱優を何としてでも助けたい
「それだと未菜は助からないんだ…あいつらは!俺さえ殺せば未菜のことなんて興味無い!未菜の存在は知られていないんだ」
ソード帝国が攻め込んだ時、朱優、李彩、それに第4王女未菜は城外にいた。
朱優は少し前から何かを察知していたため、順番に皆を逃がそうとし、まず赤ちゃんの未菜を逃がした
けれど、ソード帝国は朱優の思惑より早く攻め込んできたのだ
王族は皆処刑された
攻め込んでわずか1日で王城につき、すぐ処刑をした
でも、未菜の事は元々そんな知られていない
なんせまだ生まれてから間もない
「…っ!」
「俺だって囮のため精一杯逃げるさ!さあ行け!李彩」
李彩は泣きながら主君の方を向く
「必ず!必ずや迎えに行きます!
どうかご無事で」
朱優は寂しく微笑んだだけであった
「君も妹を未菜を頼んだよ…元気でな」
「朱優様!」
朱優の顔は恐怖の色だ。何せ朱優はまだ12歳。いくら大人びていても怖いものは怖いだろう
「もう行け…アルダーソン伯爵を頼ってくれ」
「第3王子はどこだ!」
「出てこい」
追手だ!2人は顔を見合せた
「では、失礼!」
その時、水の大きな音が聞こえた
「うぇぇぇぇぇん」
「王女…未菜様!どうか泣かないで下さい」
「ままぁぁぁ」
「未菜様…」
李彩は悪いと思いつつ、眠らせる薬の中で赤ちゃんに有毒にならないものを飲ませた
アルダーソン伯爵は確か雪華国とアヴール王国の国境から約8時間…結構長いが、アルダーソン伯爵は元々雪華国元国王 翠真と学生の頃からの親友だ…ソード帝国に差し出すこともないだろう
「…アルダー…ソン伯爵…に…お願い…します…あわせて…下さい」
李彩は息を途切れ途切れに言った
「アルダーソン伯爵様に会わせる?招待状はあるか?」
「君!待て待つんだ」
門の兵に話しかける身なりの良い男性。
「伯爵様!」
アルダーソン伯爵は李彩に…いや、未菜に臣下の礼をとった
「伯爵様?」
騎士が顔をあげない伯爵にきく
「この度は長旅にお疲れでしょう…ゆっくり休んでください」
「ありがとうございます、アルダーソン伯爵」
「やはり朱優様が言っていたことは本当だったのか…」
「はい…」
「まあいい、その話は後で聞く…大体想像はついている」
「ありがとうございます!伯爵様」
李彩は伯爵に最上級の礼をした
「それで?」
ここしばらく入っていなかった広いお風呂に入り、上機嫌の李彩にアルダーソン伯爵は質問をした
「国王陛下は…翠真様は…」
伯爵は本当に聞きたくないと言った感じとどうかいい答えを早く聞きたいという混じりあった感情を露にして質問する
「国王陛下は…常に民の事を…貴族の事を思っていらっしゃいました…雪華国の貴族と民の命を助けるため、国王陛下は…処刑されました…」
「…ああ!!!」
伯爵はショックのあまり思わずナイフを床に落とした
「あの方は…あいつは常にみんな思いだ…それが王族に…貴族に生まれたものの義務であり、人を助けることが出来るのは権利だとそういった…」
何人もの善人な王や貴族はそれを義務だと言った。でも、翠真はいとも簡単にそれを権利といった。まるで人を助けるのが楽しくて仕方がないかのように…そう、翠真は人の笑顔を見るのが好きだった…同時に当時性根が腐っていた伯爵にも話しかけた。そして、伯爵を更生させたのだ
「あの方は人生の恩人だ…あの方が死す時、自らも死す時だとそう思ってきたのに…!!」
「アルダーソン伯爵様…どうかこの方を…この子をお助け下さいませ」
「分かってる。それと結菜様と紗菜様、梨菜様も?王妃様も?
それと蓮風様に奏鈴様もやっぱり…処…」
「どのお方も…聞いた話ですと最期皆様は胸を張っていらしたそうです。王族に生まれて良かったと」
「あ、うー!」
「どうしましたか?未菜様」
「うぇぇぇぇぇん」
「未菜様!大丈夫ですよ、落ち着いて下さい。未菜様」
「未菜様、お疲れでしょう?サラ!」
「はい、伯爵様」
「未菜様を…頼んだ」
「分かりました」
「李彩と言ったな?君も休むといい」
「ありがとうございます。アンダーソン伯爵様」
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