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さつまいもノリ

ウェールスの村に来てから2週間が経った。

そこで、ここ2週間であった事をダイジェストで紹介したいと思う。


村周辺の山賊を狩る。

それによって村の人から信頼を勝ち取り、お金もたんまりもらう。


家を購入。

心休まる拠点を手にいれる。


村の人との交流。

ここウィールス村は王都からかなり離れているため、俺達のことはまだ知られていなかったが、危険なため、偽名を使おうということになったが、キーメルが家を本名で購入してしまったため、本名を使い村の人と交流することになった。



名誉市民賞を受賞する。

山賊を根絶やしにした事が高く評価され、村長から名誉賞を受け取ってほしいと言われる。身バレの危険から3人を説得し、断るという結論が出たものの、その後俺は一週間何者かに魔法で眠らされ、気付いたとき俺の部屋には名誉市民賞の大きいオブジェなるものが置いてあった。


セパタクローにはまる。

セパタクローとは簡単に言うと足で行うバレーボールだ。

名誉市民賞の特典として、毎月ある程度のお金が貰えることになり、お金集めのクエストに行く必要が無くなったため、暇つぶしでセパタクローを始め、アホ程はまる。


ここから今に繋がる、


「私の息子にセパタクローを教えてもらえませんか?」


ちょっと前ぐらいから、俺達がセパタクローをしていると見に来ていた子供達から噂が広まったのり、最近は大人も見に来て、その様子はもはやプロスポーツ観戦のようになっていた。


普通だったら、4人しかいなくてメンバーも変わらないような試合を見ていてもすぐに退屈になるだろうと思うかもしれない。


が、ここで思い出して欲しい事が2つある。

1つ俺達はこれでも一応、最前線で戦っていた経験のある冒険者達だ。

リーダーの俺が言うのはなんだが、こいつらより運動神経のいい奴はこの国にはいないんじゃないかと思う。ほぼ猿だと思う。



もう1つは、こいつらの頭がおかしい事だ。

こいつらは何をするにしても最初は自分達が楽しむためにやるのだが、それだけだとすぐに極めるて飽きる。

のだが、観客がいるとなると別なのだ。

そう、調子に乗るのだ。

今日なんて目立ちたいという事からなのか逆立ちしながらプレーするという、もはや何がしたいのか分からない状態になっていた。


俺はそんな猿しかいないサーカス団の団長のようなものなのだが、やっかいなことにこの猿達、頭はおかしいのだが、頭がキレるのだ。


「はーい、皆さんこんにちはー!」

「「「「こんにちはー!」」」」


親達が頼みに来た日、俺が断ろうとした瞬間に再び魔法をかけられ、目が覚めた時には子供のスケジュール管理、お金の管理、グラウンドの整備などなど、めんどうくさい雑務を全て押し付けられていた。


文句を言う暇も無く、雑務を押し付けられた俺は近所のおばさんの助言でとりあえず仕事をやってみることにし───


バシッ

「おいこら犯人。」

俺は犯人の頭にチョップする。

「・・・いたい。」

「おい、お前ら何してんだよ!!復讐はどうしたんだよ、復讐はよぉお!!」

「「「あー」」」

「まぁよくね?いま凄い楽しいし、」

「・・・マジえんじょい」

「もちろん忘れてた訳じゃ無いのよ?な、何よ!ちょっと、ちょっとだけよ!!」


「とりあえず、明日は子供達が来ない日だから、対策会議をします。」

「えー何でだよカイアスぅ一緒にセパタクローで遊ぼーぜ~」

「・・・そうだよ。そうしようよ。」

「お前らとやったら怪我するわ!ていうか週7セパタクローってホントどうなってんだよ!現地の人でもそんな頻度でやらねーわ!」

「とりあえず明日の会議、1人でも欠席したら今の仕事全部放り投げるからな。」

「「「うう・・・」」」

「わかった?なら返事。」

「「「はい。」」」

こうして今日の説教は終わりになった。


説教終わり、本来なら寝る時間なのだが、今日はなんかモヤモヤして眠れそうにないので軽く歩こうと思い、外に出た。


この村は田舎という事もあって夜になるとほんの少しの明かりがあるだけだ。


俺が歩いていると、村の奥にある森の方からガサガサと音が聞こえた。


俺は警戒しながら音のなる方に近づき、息を潜める。

「あ、あれは───」



「悪い、やっぱ今日の会議無しにしてもいいか?」

「「「え?」」」

翌日、朝ご飯を食べている3人に伝える。

「ん?あぁ、安心していいよ。仕事はこれからも俺がやるからさ。」

「どうしたんだよ、急に?」

キーメルが食事の手を止め、俺のデコに手を当てる

「熱はねぇよ、あーまぁちょっと用事が出来たんだよ。」

「てことは、今日遊んでもいいってことなの?どうしたの頭痛いの?」

「あぁもちろん好きなだけ遊んでくれ。いや頭は痛くねぇよ」

「・・・お腹痛いの?」

「お腹も痛くねぇよ。てかお前ら馬鹿にしてんだろ!どこも悪くねぇよ!!」


「ごちそうさま。じゃあ出かけてくるわ。」

俺はかきこむように朝食を食べ、家を出た。


「あやしい。」

「女か?ついに女かぁ!?」

「・・・あやしい。」


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