僕の幼馴染が僕の婚約者に贈り物をしていてむかつく
ノア視点
朝だ。今日から登校もルークと一緒になる。ユリアと二人っきりがいいのに。
「ユリア!迎えに来たよ!一緒に行こう!」
「いってらっしゃい、ユリアナ」
「はい、いってきます。マリアナお姉様」
ユリアに僕の手を差し出すと、ユリアは僕の手を取り馬車に乗る。
「ねえ、今日から本当にルークと一緒に登下校するの?」
「もちろん、約束したじゃない」
「僕はユリアと二人っきりの時間が少なくなるの嫌だな…」
「そんな風に言わないで、ね?」
ユリアが僕の頬にそっとキスを落とす。途端に僕の顔が真っ赤に染まるのがわかった。
「…もう!ユリアはずるいな!」
「ふふ。ごめんなさい、ノア。せっかくノアとルーク様が仲直りしたのだもの。仲良くして欲しくて」
「気を遣ってくれてありがとう、ユリア」
ユリアは優しい。そして純粋だ。そんなユリアにルークが何か企んでるかもなんて言えない。そのまま馬車でルークの屋敷へ向かう。
「おはよう!ノア!ユリちゃん!」
「おはよう」
「おはようございます!ルーク様!」
「じゃあ乗って乗って」
「はーい!お邪魔しまーす」
「邪魔だって自覚あるなら帰って!」
「ノア、そんなこと言わないの」
「…ユリアのためだからな!」
「はいはい、わかりましたよー」
こうしてじゃれあっているとつい警戒が緩んでしまう。相手は幼馴染とは言えユリアを悪く言った奴だ。油断しちゃダメだ。
「二人とも本当に仲がいいですね」
「ふふ。ありがとう、ユリちゃん」
「そ、そんなんじゃないよ!ユリア!」
そして、僕達は同じ馬車に乗って通学路を通っていく。
「ところでさ、ユリちゃんってチョコレートが好きなんだよね?」
「はい、そうです」
「じゃあはいこれ、あげる」
そう言ってルークがユリアにくれたのはチョコレート菓子。…まさか毒を盛るなんて分かりやすいことするはずないし。言葉は悪いけど、餌付け…?
「あれ?ルーク様はチョコレートが苦手なのでは?」
「そう。ユリちゃんのためにわざわざ買ってきたんだけど、迷惑だった?」
「い、いえ、迷惑なんてそんなこと!とんでもないです!」
「そう、よかったぁ」
「わざわざありがとうございます、ルーク様。嬉しいです」
「そう、よかった」
本当は止めたいところだけど、流石に薬や毒を盛るほどルークはバカじゃないし、ユリアが傷付くのは本意じゃない。…ここは諦めよう。でも、一応ルークに喧嘩は売っておく。僕がここで素直に引き下がると逆に怪しいもんね。
「むー、婚約者の僕を無視してユリアにお菓子をあげるなんていい度胸だな、ルーク!」
「こら、ノア。そんなこと言わないの」
「でもユリア!」
「まあまあ、ユリちゃんも喜んでくれたんだしいいじゃない」
「ちっともよくない!ユリアを喜ばせるのは僕だけでいいの!」
「どんだけご執心なんだよ…」
「ものすごくだよ!」
「ふふ」
ユリアが僕とルークのやり取りを見て笑う。笑顔のユリアは更に可愛い。なんとしてもユリアの純粋な心は僕が守らないと!
「じゃあまたお昼休みに」
「はい、またあとで」
「じゃあまたね」
いつもは楽しみだったお昼休みも今はストレスだ…。
私はどちらかというと今のアベルの方が好みです




