婚約者が幼馴染と仲直りしました
仲直り
「それでさ、ユリアナ嬢のこと、ユリアちゃんって呼んでもいいかな?これから仲良くなりたいんだ」
休み時間、ルーカス様から突然愛称の提案が出ました。でもユリアって呼ぶのはノアだけの特権です。どうしましょう?
「ルーカス様、すみません。その呼び方はノアだけの特権なので…」
「あ、そうなんだ。ごめんね。じゃあユリちゃんって呼んでもいいかな?」
「あ、それなら多分大丈夫だと思います!」
「ふふ、ありがとう。でも、ノアの奴すっかりユリちゃんにご執心だから愛称で呼ぶ時点でヤキモチ焼いて来そう」
「あー、確かそうかもですね…」
ノアならありえる。
「あ、あとさ、俺のこともルークって呼んでよ。お近づきの印にさ」
「はい、ルーク様」
早速愛称で呼ばせてくれるなんて嬉しいなぁ。これがノアとの仲直りに繋がればいいんだけど。
「それで、ユリちゃんにちょっとお願いがあるんだけど」
「はい、なんでしょう?」
「お昼、ノアと一緒に食べてるんだよね?俺、ノアと仲直りしたいからさ、混ぜてくれないかな?」
ノアと仲直りするため…!もちろん協力いたしますとも!
「もちろんです!」
「じゃあ、ノアがユリちゃんを迎えに来るまで待つかー」
ルーク様がそう言った瞬間、教室の扉が大きく音を立てて開きました。
「…ユリアー!無事!?大丈夫!?よりによってルークと同じ教室なんて!虐められてない!?大丈夫!?」
…どうやら大きな誤解があるようです。大丈夫かなぁ。仲直りして欲しいんだけどなぁ。
「ノアー、こっちこっち」
ルーク様がノアに呼びかけます。
「は!?ちょっと、なんでルークがユリアの隣の席なの!?まさかユリアに何かする気!?」
「違う違う。あの時のことはちゃんとユリちゃんには謝ったよ。ユリちゃんとノアと仲直りしたくてこの席にしてもらったんだよ」
ルーク様の言葉にノアが一瞬固まります。
「…仲直り?」
「そう、仲直り。あの頃は俺、どうにかしてたよ。ノアとアリア様がお似合いだからってユリちゃんに八つ当たりしてさ。ノアにも酷いこと言ったよな。ごめん」
ルーク様の率直な言葉にノアは少し逡巡した後、訝しげな表情でルーク様に言葉を返しました。
「本気?」
「本気」
「本当に?」
「本当に」
「もう僕とユリアの邪魔しない?」
「しないしない」
「あとなんでユリちゃん呼び?」
「ユリア呼びはノアだけの特権らしいからさ」
ノアはその言葉を聞くと私をハグしてきました。
「ユリア!嬉しい!ありがとう!」
「私もノアとルーク様が仲直り出来て嬉しいわ」
私の言葉にノアが顔を顰めます。
「…仲直りしなきゃだめ?」
「だめ」
「…じゃあ、ルーク。仲直り」
ノアがルーク様に手を差し伸べます。その手をルーク様が掴みます。
「仲直りの握手、ね。懐かしいなぁ」
「昔はしょっちゅうやってたよね」
「そうだね」
「じゃあ仲直りしたところでアベルのところに行こうか」
「あー、アベル。懐かしいなぁ」
「確かルーク様とアベル様は毎日のように喧嘩していたとか」
「アベルがノアを虐めてたからね。でも、今は一緒に昼食をとる仲のようで安心したよ」
「あー、まあ、色々あってね。ちょっと前とキャラ違うけど気にしないでね」
「?…うん」
ということで中庭に移動してノアとルーク様、アベル様と私で昼食をとることになりました。皆仲直り出来て本当に良かったです。
本当に?




