アルバート・サンチェス
お義兄様は俺様系
俺はアルバート・サンチェス。婚約者であるマリアナ・オルコットの遠縁の親戚で、将来マリアの家の婿養子になり、爵位を継ぐことになっている。
俺が初めて婚約者のマリアに会った時の感想はこいつバカか?である。いや、本当にその頃のあいつはそのくらいバカだった。お花畑の住人だった。その頃のマリアには現実が見えていなかった。なんせお優しく頼もしーい両親と、可愛い妹、お優しい使用人達に囲まれて、世界は優しいもの、美しいもので溢れていると思っていたくらいだ。いや、ねーよ。その可愛い妹がお優しい両親と使用人達に虐められてんだろうが。
正直この時には絶望した。俺はこういう脳内お花畑女が一番嫌いだ。こんな奴と結婚するのかと思うと反吐が出る。だから俺はマリアに現実を見せつけて性格を矯正してやることにした。こいつみたいなバカははっきり言ってやらないと伝わらないと思い、どうして姉の癖に妹を守ってやらないんだと、どうして妹が傷ついているのに気が付かないふりが出来るんだと言ってやった。まあ、結果的には成功した。この時やっとマリアには現実が見えたようだ。そこからマリアが変わるのは早かった。マリアは必死で妹を守るようになった。両親や使用人達が妹に嫌味を言えば言い返し、妹を邪険にすれば両親達を邪険にし、妹に暴力を振るった時は家で暴れまわった。特に、家で暴れまわった話を聞いた時はこりゃあ傑作だなと思った。マリアの両親や使用人は、妹と差別して大切に大切に育てた長女の変わり様に困り果てたようだ。少しだけユリアナに対する態度を改めたらしい。他人事ながら胸のすく思いだった。そしてそれから、今まで妹が傷ついていることにすら気付いていなかったマリアに、ユリアナは懐いたらしい。マリアを大切な姉だと言ったそうだ。その事を嬉しそうに報告してきたマリアの笑顔が忘れられない。
マリアとの関係はそこから改善していった。俺は強い女が好きだ。現実を受け止め、妹を守るために一生懸命になったマリアは俺の好みドストライクになったのだ。ついでに言うと、ユリアナとの関係は将来の義妹としてはまあまあ良い方だと思う。ユリアナはマリアが俺に大切な妹だと紹介したから俺がユリアナを大切にしていると思っているようだが、俺はこのまま勘違いしたままでもいいんじゃないかと思う。下手に真実を告げて謝るより、よっぽど贖罪になるじゃないかと。そうすればマリアの心はずっと罪悪感でいっぱいになるはずだからな。
その後、ユリアナに婚約者が出来た。それからはさらにマリアの両親や使用人達のユリアナに対する態度が改善した。ノアの奴、一体何やらかしたんだろうな。ついでにノアとの関係を言っておくと、まあ普通に将来の義弟って感じだ。たまーにユリアナ関連で変な嫉妬の視線は感じるが俺は無視している。
そんなわけで俺を含めた四人の関係はまあまあマシな物だったりする。なので今度のユリアナ達の夏休み、四人と使用人達何名かでマリアの家の領地にある別荘でお泊り会をすることになった。海水浴とバーベキューの準備、そしてとっておきのサプライズの準備をしておく。楽しみだな。
でもすごく優しい




