731 カップルも相変わらず
家族の次はカップル|ω・*)
「さてと……」
遥香と千鶴、桜にも朝食を出したし、俺もそろそろ雪かきでもするかと、着替えて外に出る。
先程までは止んでいたが、また少し降り出す雪には思わず苦笑してしまうが、早めに片付けておかないとね。
「お、朝早くから頑張ってるな」
そんな声に振り向くと、仲良さそうに腕を組む親友カップルの姿がそこにはあった。
思えば、高校卒業から付き合い初めて随分と仲はふかまったものだ。
彼女をコロコロ変えてた時期の雅人が懐かしくもある。
それもこれも、水瀬さんという絶対的なパートナーの為せる技と言えるだろう。
「巽くん、あけましておめでとう」
「うん、おめでとう。2人とも初詣帰り?」
「ああ、なんか雲行き微妙だったしな」
「それより、ウチの方までやって貰っちゃったみたいだね。ありがとう」
「気にしなくていいよ、ついでだし」
俺としては、そこまで雪かきが嫌いでもないので、なるべくご近所付き合いの円滑のためと、自分の体を鍛えるためにこの手のことを自主的にすることはよくある事であった。
「まだ残ってるな。手伝うぞ」
「いや、もう少しだしいいよ。それより、寒いんだから早く帰った温かくして休んだらいいよ」
せっかくの正月なのだ、のんびり彼女と過ごせよと遠回しに伝える。
「少しは手伝うさ。お前のところの嫁さんと娘に嫌われたくはないしな」
「じゃあ、私も……」
「亜矢は先に戻って待っててくれ。すぐ終わるしな」
「……うん、分かった。待ってるね」
通じ合うように頷いて部屋へと向かう水瀬さん。
以心伝心が前より強くなってて何より。
「しかし、新年そうそうよく降るな」
「だね、まあ、後で千鶴と雪遊びできるしいいけど」
「相変わらず家族愛が深そうだな。今年にはもう一人くらい増えてたりしてな」
「どちらかといえば、雅人達の方が先になるかもよ?」
今年で大学も三年目だろうし、普通にいけばもう少しで本格的に就職になるだろうし、2人のラブラブ具合的にデキ婚とかも有り得そうかと思えた。
「俺達はもう少し計画的に作るからまだだな」
肩を竦めてそう答える雅人。
既に水瀬さんとの未来は確定してるらしい。
昔の親友に比べると随分と変わったものだ。
なるほど、恋とは人を変えるというのは誠らしい。
「まあ、何にしてもささっと片付けてお互い愛する人に会わないとね」
「だな」
「あと、雅人」
「なんだ?」
「あけましておめでとう。今年もよろしく」
「ああ、よろしく」
そうして、男二人で直ぐに雪かきを終えるが……彼女の元に戻る雅人の足取りが軽そうで微笑ましいものだ。
今年もあの二人はラブラブしてそうで、俺としては一安心かな?




