722 今年のプレゼント
クレヨンも候補ではあったそうな・・・?
「パパ!ことしもサンタさんきたー!」
桜にミルクをあげてから、朝食を作っていると、満面の笑みで今年も膨らんでる靴下を抱いて娘が起きていた。
「おはよう、千鶴。良かったね。今年も千鶴はいっぱいいい事したからだね」
「そうかな?」
「うん、桜のお世話も手伝ってくれてパパも感謝してるよ」
「む〜、それはおねえちゃんとしてとうぜんだもん〜」
などと言いつつも嬉しそうにする千鶴。
お姉ちゃんとして当然か・・・本当に良い子に育ってくれてると心底嬉しくなる。
「それで、今年は何を貰ったの?」
「えっとね・・・あ!ちーのほしかった、いろえんぴつと、かわいいやつだ!」
千鶴の今年のクリスマスプレゼントは、160色入りの色鉛筆と、オシャレで可愛いスノードーム。
色鉛筆は、俺が用意してスノードームは遥香が選んだそうだ。
まあ、水瀬さんと見てて千鶴の好みを考慮してそのチョイスになったそうだが、嬉しそうだしね。
俺の色鉛筆は、千鶴が常々、欲しがっていたものだったので少しだけ良いやつを買ってみた。
読書やお絵描きと色々やってるが、絵の方も才能に恵まれてるのかクオリティーが段々と上がっていて親としても嬉しい限り。
そんな千鶴が、前に色鉛筆を見かけて欲しがってたので、選んだが・・・目の輝きが尋常じゃなくてホッとすると同時に微笑ましくもなる。
「ふぁ・・・おはよう」
「ママ!みてみて!」
「お、プレゼントか?良かったな」
「うん!これで、がんばってかぞくのえをかくの!」
「そうか、出来たら見せてくれな」
眠そうながらも微笑む遥香。
「そういや、桜にもプレゼントあったな」
「ええ、まあ、どっちかと言うと俺たちへのプレゼントっぽくなりましたが」
モコモコの熊の服を買って着せてみたが、気に入ったようでご機嫌だった。
服に関してはついつい買いすぎそうになるので、抑えてるが何を着てもウチの娘は可愛いと言えば雅人辺りには親バカと呆れられることだろう。
事実だし否定はしないが。
まあ、俺より酷そうなのは祖父だろうが。
初めて見に来た日から、色々と贈ろうと画作してるようで、千鶴の小学校入学のお祝いも大層なものを贈ろうと考えたようなのでやんわりと流しておいた。
気持ちは嬉しいけど、ほどほどにね?
俺と遥香はお揃いのマグカップで微笑みつつ娘達を見守るが・・・新しい色鉛筆を使って、時々スノードームを眺めて満足そうに絵を描く千鶴と、熊の服でニコニコしてる桜の組み合わせは反則的なまでに可愛かった。




