717 親友のお祝い
(-ω-`*)つドゾ
「そういや、これ出産祝いな」
ふと、桜を見てから思い出したのかそんなことを言いつつ渡してくる雅人。
「ありがとね」
「まあ、選んだのは亜矢だがな」
「そうなんだ。それなら、安心だね」
「ん?どういう意味だ?」
「だって、雅人こういうの分からないでしょ?」
出産祝いに何を渡せばいいのかとか、金額的なものとか、そういうのに興味無いだろうから、調べもせずに水瀬さんに丸投げしてそうだが、まあ、それはそれでいいカップルの形なのだろう。
開けてみると、中身は可愛らしいベビー服が何着か入っており、しかもどれも生後半年くらいからのサイズなので流石水瀬さんと言えた。
ベビー服を出産祝いとして贈る場合は、生後半年くらいからのサイズとその時期にあったものが好まれるそうで、それを調べたのか、ちゃんと考慮してくれたのは流石としか言いようがなかった。
「水瀬さん、わざわざありがとうね」
「ううん、桜ちゃんに似合うといいんだけど」
見た限り、奇抜なものは無いし、センスも良いし多分大丈夫だろうと思う。
遥香もそう思ったようで微笑んで言った。
「大丈夫だろ。どれもよく似合いそうだ」
「まあ、うちの娘は可愛いですしね」
「親バカだな」
「悪いか?」
「いんや、お前らしいなと思ってさ」
千鶴も桜も可愛いから、何着ても似合うだろう。
親バカで結構。
娘が可愛いのは事実なのだ。
今も、雅人が相手でも愛想良く、ご機嫌にニコニコしてるこの子もきっと遥香に似て美人さんになるだろう。
「そういや、うちの連中来たんだよな?」
「うん、薫ちゃんと巡李さんがね」
「・・・なんか、すまんな」
「いいってば。それに巡李さんにも薫ちゃんにもお世話になってるからね。ただ、俺の時でこれだから、水瀬さんと子供作ったら大変そうだね」
「全くだな」
2人がその時まで、今のままここに住んでるかは分からないが、距離的には毎日水瀬さんの様子を見に来そうな気しかしないから、2人は大変そうだ。
仲良しな義母や義妹が毎日来る・・・水瀬さんは素直に喜ぶだろうが、雅人は水瀬さんを取られるので大変だろう。
これで、嫁姑問題があったら、水瀬さん地獄だっただろうけど・・・むしろ息子より可愛がられてるのだから、マシとは言えるのかな?ウチも義実家との関係は悪くないし。
「そうだ、水瀬達夕飯食べてくだろ?」
「え?いいんですか?お邪魔じゃ・・・」
「気にしないっての。そんな訳で、健斗頼んだぞ」
「ええ、了解です」
別に2人増えても夕飯の準備はそこまで大変ではないし、遥香や千鶴も水瀬さん居た方が楽しいだろうしね。




