表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

713/813

642 二人へのお土産

お土産

「そうそう、これが千鶴ちゃんへのお土産ね」


思い出したように、父さんが千鶴に渡したのは塗り絵だった。しかも、千鶴の好きなアニメや可愛い動物のイラストの塗り絵なので、千鶴は嬉しそうに微笑んでお礼を言った。


「おじいちゃん、ありがとう!」

「ええ、いいわよ」

「ぱぱ・・・」

「うん、やってもいいよ。塗れたら見せてね」

「うん!」


頷いてから千鶴は楽しそうに塗り絵を始めた。なんとも可愛い娘だが、それにしても、父さんが塗り絵をお土産として買ってくるとは少し予想外だった。あんまりアニメも詳しくなかったと思ったけど・・・


「ふふ、実はね、瑠美さんにアドバイス貰ったのよ」


疑問符を浮かべる俺にそんなことを言う父さん。なるほど、瑠美さんならある程度千鶴の好みも分かるかもしれないな。


「というか、いつの間に仲良くなったの?」

「霞さんや暁斗さんに会う時にね。二人とは何度も会ってて仲良しだからね」


まあ、親同士が仲良しなのは嬉しいけど、お義母さんやお義父さんに変なこと話してないといいが・・・


「それで、遥香さんにはこれね」


そう言って、遥香に渡したのは小学生の卒業アルバム。というか、なんか俺が昔持ってた奴のような気が・・・


「わざわざ、ありがとうございます」

「仕事で忙しくて、こういう写真しか残ってないのよね」

「十分ですよ」

「健斗ったら、これを捨てようとしてたから私が預かってたのよ。せっかくの写真なのにね」


そりゃ、俺の卒業アルバムなんて必要ないし、そうなるのも仕方ないだろう。大事に取ってあるのなんて高校の卒業アルバムくらいだしね。高校のは遥香と一緒に写ってるし、大切に保管してある。


ちなみに、これが俺の子供達や遥香のなら同じように綺麗な状態で保存しておくだろう。千鶴の小学校の卒業式とか確実に泣くやつだよね。まだ入学もしてないのにそう思うのだから、俺もかなり親バカなのかもしれない。


何やら、卒業アルバムで楽しげに盛り上がる二人の邪魔はしたくないので、俺は俺で残ってる家事を片付けることにする。千鶴も集中して塗り絵をしているので、邪魔しないようにしたいしね。


そういえば、結局学生時代、父さんが来てくれた卒業式って高校のやつだけなんだよね。まあ、父さんも忙しかったし、仕方ないけど、卒業アルバムを見て随分と悔しそうな顔をしていたのがなんとなく覚えている。俺としては、父さんの忙しさを知ってたし無理に来て欲しいとは言えなかったけど、もう少し頑張ってお願いしても良かったかもしれないと、少しばかり思うのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です(^_^ゞ 恵さんがおじいちゃんしていて良いですね✨ もうすぐ恵さんのビジュアルが判明すると思うと、 とても気になります。 書籍化の情報、出せるようになったら、 ぜひ載せてく…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ