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69 三人の晩酌

晩酌たーいむ



「姉さんと飲むの久しぶりだー」


そう言って日本酒を飲む瑠美さん。姉がビールなのに妹が日本酒というのはなんともミスマッチだが面白い姉妹だと思う。


「瑠美さん、どうぞ」

「おお、ありがとう健斗くん」

「・・・健斗」

「はい、おかわりですね」


瑠美さんにお酌してから先生にもお酌する。どれくらいのペースで先生がお酒を飲むのかなんとなく把握できるようになった成果だろう。


「ふふ、こんなところでも嫉妬なんて健斗くん社会人になってから大変だね」

「別に大丈夫さ。こいつには家を守ってもらうからな」

「主夫希望なんだっけ?確かに凄い家事スキルだし適任だけど、健斗くん自身の夢とかないの?」


そう聞かれてから考えるが・・・


「そうですね・・・主夫というか、遥香さんと生きられるならなんでもします」

「あら?すでにゾッコンなんだ」

「そういえば、瑠美さんはお仕事何かしてるんですか?」

「ん?私?今は主婦だよ。その前は保育士してたけどね」


保育士とはなんとも姉妹と言うべきか先生が似合う姉妹だね。


「子育て一段落してから復帰しようかと思うんだけどね、旦那が夜激しいからそんな暇ないんだよねー」


思わず飲んでいたジュースをこぼしそうになるが・・・そんな話題を明るくしないでください。


「お?動揺してるの?可愛いー」

「・・・いけませんか?こんなんでも年頃の男なので」

「いやいや、そんなことないさ。でも、健斗くんもよく耐えられるよね」

「何がです?」

「いや、普通姉さんみたいな色気のある未亡人を目の前にして飛びつかないほど鈍くはないでしょ?それに姉さんて無防備だから、聞きたくて」


まあ、確かに先生は色気あるし時々無防備だけど・・・


「好きな人の同意なしでそんなことしません。それにこれは俺だけの問題ではないですから」

「ん?姉さんのこと?」

「あとは千鶴ちゃんや家族ですね」


そうして俺が何の考えもなしに先生と肉体関係を持てばいよいよもって引き返せなくなる。もちろん俺はそれでいいが、そのことで先生が責められるのは本望ではない。だから我慢する。そんな俺の言葉にキョトンとしてからくすりと笑って瑠美さんは言った。


「ヘタレなのかと思ったら責任の重さを理解してる大人だったんだね」

「まだ子供ですよ。だから少しでも早く大人になれるように頑張るだけです」

「眩しいねー、私も昔は似たようなこと言ってたかな」


そう言ってから飲み干してお猪口をこちらに差し出した。


「お酌してくれる?」

「はい、もちろん」


そうして瑠美さんにお酌してから全く同じタイミングで先生にもお酌する。そんなことを繰り返すが予想以上に瑠美さんが酒に強かったのでえらく時間がかかったことだけ告げておこう。





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