67 妹さん登場
タイトル通りかな?
千鶴ちゃんを迎えに行ってから先生の家に戻ると、何故か鍵が空いており、俺は慎重にドアを開ける。確かに戸締まりしたはずなのにこれは一体・・・泥棒とか?それならなんとか千鶴ちゃんを守らないと。そう思って中に入ると、テレビを見ている短髪の女性がいた。なんだか先生に似てるような・・・
「あ、瑠美おばちゃん!」
「ん?おー、お帰りちーちゃん。それに隣の君は・・・健斗くんだね」
「あの・・・もしかして遥香さんの妹さんですか?」
そう聞くとその人は立ち上がってからこちらに近づいてきて言った。
「初めまして、黒羽遥香の妹の黒羽瑠美です」
「あ、はい。初めまして。巽健斗です」
「うん、姉さんから話は聞いてるよー」
「・・・どんな話ですか?」
「君が姉さんとラブラブって話かな」
そんなこと・・・あるのかな?
「姉さんガサツだから大変でしょ」
「おおらかで優しい人ですよ」
そう言うと妹さんは少しだけキョトンとしてからクスリと笑って言った。
「なるほど、姉さんが気に入るのもわかるな。ちーちゃんとも仲良しなんでしょ?」
「うん!おにーちゃんだいすき」
「そっか、なら良かったよ」
千鶴ちゃんの頭を撫でながらそう言う妹さんは優しげな瞳をしていた。さっきから思ってたけど結構千鶴ちゃんなついてるようだし何度か会ってるのかな?
「それで、今日はどうかしたんですか?」
「ん?何が?」
「何か用事があるのかと思ったのですが・・・」
「ああ、そういうことか。うん、君に会いにきたんだ」
俺に?それは一体・・・
「来月なんでしょ?修学旅行」
「ええ、そうです」
「だからその前に君に挨拶をしておきたくてね。どうやら君は私より家事スキル高いみたいだし、勉強させて欲しくてね」
「そうなんですか」
勉強って・・・別に俺はそこまで家事スキルは高くないと思うんだけど。確かに昔からやってたから多少は家事には自信があるが、そこまで得意と言い張れるほどではないと思う。
「まあ、それに姉さんとちーちゃんにも会いたかったしね」
「そっちが本命でしたか」
「君に会うことが本命ではあるよ。でも、大好きな姉とちーちゃんに会いたいのも本気ではあるかな」
「まあ、気持ちはわかります」
遥香さんみたいな姉がいれば自然とシスコンになる可能性は高いだろうし、千鶴ちゃんも可愛いからそんな感情になるのはわかる。俺に会うのはおまけで二人に会いにきたと言われても納得できるくらい可愛い二人だからね。そんな感じで夕飯の準備まで瑠美さんと軽く話すことになるが、流石先生の妹というべきか、似た部分が多いと思うのだった。




