60 テストの約束
思い出したように約束を引っ張りだす
「よいしょっと」
ゆっくり千鶴ちゃんをベッドに下ろしてから一息つく。そこそこ長い距離千鶴ちゃんをおんぶしていたのでかなり疲れたはずだが不思議なことに大丈夫だった。きっとあれだな。可愛い子供のためならなんでも出来るってやつだろう。
「遥香さん。流石に俺が着替えさせるわけにはいかないのでお願いーーー」
「ん?あーわかった。て、どうかしたのか?」
「・・・お願いですから無音で下着にならないでください」
振り向くと乱雑にスーツを脱ぎ捨てた下着姿の先生がいた。あまりの刺激の強い光景にそう言うと先生は気にした様子もなく言った。
「別に下着くらいいいだろ?お前だって毎日洗濯で私の下着に触れてるから抵抗はないだろ」
「いえ、そういう問題じゃなくて、というか下着オンリーなのと遥香さんの下着姿はレベルが違うのでアウトです」
なんでこの人はこんなに無防備なのだろうか・・・少しだけ不安になるがわざとの可能性もあるのでなんとも言えない。というか、改めて見なくてもわかるけどやっぱり先生スタイルいいな・・・
「お、今エロい目で見たか?」
「遥香さん、もしかして酔いさめてます?」
「まだ少し酔ってるけど、問題ないな。それで?私を見て欲情したのか?」
「否定はしませんが、プラトニックな関係を守りたいので肯定もできません」
そう言うとニヤリと笑ってから先生は言った。
「プラトニックかぁ・・・そういえば、この前はうやむやにされたけど、私お前にキスされたよな?」
「それは遥香さんも同じでしょう?」
互いの過去に触れた時に一度づつキスをした。ちなみにファーストキスです。なんというか男のファーストキスは特別感ゼロだけど、なんとなく先生にあげれて良かったと思う。そんな俺の言葉に遥香さんは頷いてから言った。
「まあ、お前からのキスは嬉しかったし、私の場合お前のことを愛しく想いすぎて思わずやってしまったわけだが、本来はテストのご褒美だったよな?ところがその前にキスを済ませてしまったわけだが」
「・・・つまり報酬は支払い済みだから、テストは絶対に目標を越えろと言いたいんですよね?」
「いんや。もちろんテストの点は高いにこしたことはないが・・・そうだな、じゃあ報酬を変えるか」
そう言ってから先生は顔を覆う俺に近づいてきてから微笑みながら言った。
「テストの目標はそのままに、報酬をキスからそうだな・・・この際だから大きく変えてお前の望みをなんでも叶えてやろう。無論私に出来ること何でもだ」