560 5人でお昼
お昼はやっぱり
「んー!おいしい!」
「そっか、良かった」
美味しそうに甘口のカレーを食べる千鶴。遥香もどちらかと言えば甘口が好きなので美味しそうに食べている。とはいえ、雅人、水瀬さんは辛口の方が好きらしくて結局2つに分けて作った。まあ、鍋を分ければさして手間でもないし、美味しそうに食べてる嫁と娘を見れば自然と微笑んでしまう。
「久しぶりに食べたけど、相変わらず美味いな」
「中条くん、お昼に巽くんのお弁当分けてもらってたもんね」
「水瀬さん、あれは強奪と言うんだよ」
「美味いから仕方ないだろ?」
クラスメイトが居ようが居まいが、普通にお弁当泥棒をしていく親友なので柔らかく言う親友の彼女にそう言うと雅人は悪びれもせずに言った。
「でも、あれだな。やっぱり結婚してから更に料理上手くなったんじゃないか?」
「そう?」
「前より動きにキレがあるし、味も段違いだ」
「あ、私も思った。巽くん、本当に料理上手だよね」
そんな周りの評価だが・・・
「ん?ぱぱのごはんはいつもおいしいよ?」
「だな。もう、インスタントとか、コンビニ弁当とかは無理そうだ」
そんな家族からの嬉しい言葉。まあ、確かに2人に作るご飯はいつも頑張ってるけど、やっぱり美味しいが1番の褒め言葉だよね。
「あ、千鶴。少し待ってて」
「うん?」
「・・・はい、取れた。カレーついてたよ」
「ありがとう、ぱぱ」
パクパクと食べる姿が愛らしくて微笑ましいものだ。
「健斗」
「分かってますよ」
「ん・・・ありがとな」
「可愛い嫁のためですから」
千鶴の行動に少し嫉妬し同じ要求をしてくる遥香に答えてから、ついでに無くなりそうな飲み物を全員補充する。
「ほえー・・・分かってたけど、巽くん、私より女子力高い・・・」
「水瀬、あれは参考にならないぞ。前世はオカンだからな」
「オカン言うな」
だいたい、オカンって女子力あるのか?単語だけだと女子力から距離がありそうだけど・・・
「雅人もたまには料理したら?」
「俺が作ってもお前と母親より不味いし、それに今は彼女いるからな」
「うん!頑張って巽くんに習うね!」
「はは、花嫁修業みたいだな」
その遥香の一言に水瀬さんが顔を真っ赤にする。その花嫁修業のお手伝いを男の俺がするのかと考えるとある意味オカンというのは正しいのかもしれない。まあ、違うけど。
そんな感じでお昼は和やかに過ぎるのだった。なんというか、雅人に料理を振る舞ったのは久しぶりな気がするけど、相変わらずお代わりするので量を作っておいて正解だった。




