537 結婚式5
「けんちゃん、遥香ちゃんおめでとう!」
「おめでとう」
テンションの高いお義母さんと思ったより落ち着いてるお義父さん。まあ、ここは予想通りかな。
「ありがとうございます」
「にしても・・・けんちゃんもやるわねぇ!ちーちゃんにまでサプライズ用意してるなんて」
「いえ、俺としてもせっかくの結婚式なのでやりたいことやっただけですよ」
「ふふ、そうなのねぇ。遥香ちゃんもウェディングドレス綺麗ねぇ」
「レンタルなのが勿体ないくらいだね」
そんなことを言うお義父さん。話してなかったっけ?
「いえ、レンタルじゃなくて買っちゃいました」
「あら?そうなの?」
「私はレンタルで十分だと言ったんだがな・・・」
「だって、遥香さーーー遥香との一生の思い出ですからね」
仕立て直して千鶴ちゃーーー千鶴用に取っておくでもいいしね。
「そうだ、これはお2人に」
「あら、なにかしら・・・温泉のチケット?」
「ええ、折角ですし楽しんできてください」
「・・・まあ、なんだ。私のことで色々迷惑かけたからな。そのお詫びというか、お礼というか・・・」
「ふふ、遥香ちゃんったら分かってないわねぇ。可愛い娘の幸せを願わない母親はいないわよ。でも、これは貰っておくわね」
「そうだな、ありがとう遥香」
2人にそう微笑まれて少しだけ居心地が悪いように視線を逸らす遥香。微笑ましくなるけど、もう1人にもちゃんとお礼を言わないといけない。
「お祖母様、今日は来て下さってありがとうございます」
「・・・別に、暇だったからね」
「はい、それでこれ良かったら使ってください」
そう言って渡したのは麦わら帽子だ。
「これから暑くなりますからね。お身体に気をつけてください」
「生意気言うね」
そう言いつつも受け取ってくれたのでやっぱり優しい人だ。
「ほら、これ受け取っておきな」
そして、向こうからもプレゼントをくれた。ブルーベリー、キュウリ、ナス・・・まあ、果物と野菜の詰め合わせかな?そして、千鶴にはお菓子を渡していた。
「ありがとうございます」
「老い先短いババアに感謝なんてするんじゃないよ」
そう言ってからさっさとその場を後にするお祖母様。
「良かったね、千鶴」
「うん」
「お前は相変わらず祖母と接するのが上手いな」
「そうですか?でも、可愛い孫の結婚式楽しんでたみたいで良かったです」
「楽しんでたのか?」
「ええ、顔に出てましたよ」
分からないと首を傾げる遥香さん。そんなに分かりにくいかなぁ?普通に顔に出てて笑みを浮かべていたけど・・・まあ、いいか。




