281 憩いの場
和み
「お、コタツ出したのか」
帰ってきてから早速設置したコタツに気づく先生。
「実家じゃよく見たけど、こっちでは使ってなかったからなぁ」
「使わなかったんですか?」
「出し入れが面倒でな」
先生らしい理由に納得すると、先生は着替えてすぐにコタツに入った。
「おお、やっぱり暖かいな」
「それは良かったです」
「まま、おひざいい?」
「おー、ちーちゃんかもーん」
そう言いながら2人でコタツに入るのでなんとも微笑ましくなりつつ俺は言った。
「今日は冷えるので温かいものにしますね」
「おお、頼む」
「晩酌も熱燗とかの方がいいですか?」
「いや、私は日本酒はそこまで好きじゃないからな。普通にビールでいいさ」
冬場は父さんいるとよく熱燗作っていたなぁと思いながら、寒くてもビール派の先生はある意味凄いと思う。まあ、温かい部屋で飲むビールが1番美味しいのかな?アイスも冬に温かい部屋で食べると不思議と美味しいしね。
「しかし・・・この家も随分と華やかになったものだな」
しみじみとそんなことを呟く先生。
「半年前だと考えられないくらいだ」
「そんなに変えましたかね?」
「雰囲気もだが、お前とちーちゃんが待っていてくれるのが何よりも嬉しいものだな」
まあ、誰もいない部屋というのは不思議と寂しいものだしね。家で1人で待つのには慣れてるけど、大切な人がちゃんと帰ってきてくれると思うと不思議と悪い気はしない。待ってる時間も楽しく感じるしね。
「そういや、教習所の申し込み行ってきたんだっけか?」
「ええ、期末テスト終わってから時間を見て通います」
間近に迫っている二学期の期末テスト・・・まあ、実質高校生活最後のテストが目前だが、大体の生徒は受験や就活に忙しくてそこまで対策はしないだろう。というか、今の時点でかなりの生徒がいない時があるし、やっぱり大変なんだろうなぁと他人事のように思う。
うん、先生の元に永久就職決まってるからこその余裕なんだけどね。三学期になれば授業自体ほとんどなくなるし、本当にあっという間に卒業式なんだろうけど、卒業が待ち遠しくて仕方ない。
「ま、お前なら大丈夫だろうが、無理はするなよ」
「ええ、わかってます。ちゃんと両立しますよ」
とはいえ、俺は俺で卒業までにやることがまだ残っていたりする。千鶴ちゃんにきちんと父親として認めて貰えるように振る舞うことは大前提として、結婚式の準備に新婚旅行・・・まあ、千鶴ちゃん込みの家族旅行になるだろうけど、それも企画しないと。
あとは・・・今よりも更に2人のことを理解して、寄り添えるようにすることももちろんある。




