3 男子高校生の通い妻
予想以上に読まれててびっくりです・・・毎度のことながら感想への返信はしませんが頂いた感想に励まされています(^^)ありがとうございます!なるべく更新頻度は多めになるよう頑張りますのでよろしくお願いいたしますm(__)m
「俺が先生の旦那に?」
そう聞くと先生はニヤリと笑って答えた。
「こんなバカみたいな進路希望を出してきたからどう説教するか考えてたんだが・・・お前の家庭的スキルと誠実さを買ってやることにした」
「はぁ・・・」
「あ、だが、他の奴には言うなよ。バレると色々面倒だからな。あと一応お前の両親には近いうちに挨拶に行かなきゃいけないんだが・・・その前にクリアしなきゃならない問題がある」
「それは?」
すると先生は少し気まずそうに視線を反らして答えた。
「・・・娘だよ」
「娘さんがどうしたんですか?」
「うちの娘は今年で4才になるんだが・・・どうにも人見知りが酷くてな」
「コミュ障ですか?」
「そんなオタク的カテゴリーにいれるな!まあ、色々事情があって、娘は同年代ならともかく大人の・・・それも男が大の苦手なんだ。だからまずはそれをなんとかするのと・・・あとは娘がお前を新しい父親と認めるかどうかをどうにかしないとならない」
「なるほど・・・」
大人の男が苦手な幼女に父親として認めて貰うか・・・えらいハードル高いけど。でも・・・
俺はしばらく考えてから先生に笑顔で言った。
「わかりました。じゃあ、まずは先生の自宅に通うことから始めますね」
「・・・は?」
俺の台詞にポカンとなる先生。そんな先生に構わず俺は続ける。
「とりあえずこれから毎日行くとして・・・先生の娘さんの保育園への送り迎えも俺がやりますね」
「は?いや、助かるが・・・お前かなり大変だぞ?バイトとか部活の時間もなくなるし、友人ともあまり遊べなくなるぞ?」
「いいですよ。バイトも親に負担かけないで俺が自由に使えるお金を作りたくてやってることだし、部活は幽霊部員だから問題ないですし、友人は・・・皆彼女との時間ばっかりなんでその・・・」
「すまないことを聞いたな・・・」
哀れみの視線を向けてくる先生。やめて!そんな悲しい目で見ないで!皆が青春してる中俺だけやることなかったのが寂しいわけじゃないから!と、そんなことを思いつつ思いつつも俺はこほんと話をすり替えるようにして言った。
「とにかく・・・俺はしばらくは先生の家に家政婦として通いますのでお願いします。あと、保育園の先生と娘さんには明後日にも俺のことを説明お願いします」
「男子高校生が通い妻かぁ・・・」
おっさんくさいことを言う先生。先生の感性がときどきわからなくなるけど・・・まあ、これくらいユーモラスな人の方がいいのだろう。というか、俺この人が学校の先生だというのを忘れてしまっているが・・・もしかして今とんでもないことが起きているのでは?と俺は遅まきながら思うのだった。