266 初デート
デートの定義
「ふぁ・・・健斗くんおはよう。相変わらず早いねぇ」
翌朝、いつものように朝食を作りつつお昼の準備をしていると、瑠美さんが1番早く起きてきた。朝は弱いと言っていたが、全然そんなことなさそうで少しだけ苦笑気味に言った。
「おはようございます。瑠美さんこそ早いですね」
「まあ、早起きして姉さんの顔にイタズラ書きでもしようかと思ってたたんだけど、健斗くん起きてるし無理か」
「そうですね。俺が起きてる間は少なくとも無理だと思います」
姉妹のスキンシップを邪魔するつもりはないが、イタズラ書きなんて行為を千鶴ちゃんに真似させるわけにもいかないし、何より少しだけ先生の綺麗な顔に落書きされるのは嫌なので全力で阻止するだろう。
「そういえば、健斗くんってさ。姉さんの前に付き合ってた女の子とかいないの?」
「ええ、いないですね」
特に隠すこともないのでそう言うと瑠美さんは頷きながらも少しだけ驚いたように言った。
「まあ、納得できるけど、それにしては女の子の扱い慣れてるよね?家族は男所帯ーーーってあ、恵さんの影響なのかな?」
「まあ、あれは半分女性ですが・・・あとは、多分友人の妹と家族ぐるみで仲良くしてたからですかね?」
雅人の妹の薫ちゃんとは、それなりに仲良くしていたので心当たりがあるとすればそれくらいだろうか?
「そっかー。ちなみにその子とか何かないの?」
「何か?」
「幼なじみみたいな感じでしょ?健斗くん優しいしその子も健斗くんに特別な感情抱いていたかもよ?」
「まあ、それはないと思いますが・・・あったとしても、俺はもう遥香さんのものですから」
薫ちゃんみたいな美少女が俺なんかを異性として意識することはないと思う。お兄ちゃんの友人で、兄に近かったんじゃないかな?まあ、もし仮にないとは思うけどそういう可能性があったとしても、俺はもう先生と千鶴ちゃんのものなので、関係ないのだ。
「アツアツだねぇ。でも、てことは、もしかして人生初のデートなのかな?」
「好きな人とのデートは初めてですね」
「なら、ますます楽しまないとねー。ちーちゃんのことは任せなさい♪」
「ありがとうございます。お土産買ってきますね」
そんなことを話していると、先生が起きてきたので瑠美さんの分とあわせてコーヒーを入れることにする。
しかし、そうか・・・確かに千鶴ちゃん抜きで先生と出掛けるのは初めてだし、解釈的には初デートってことになるのか。先生とのってだけじゃなくて、俺の初めては先生ってことになるんだなぁと、漠然と思いながら仕度をするのだった。




