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254 祭りは近し

近い

「平和でござるなぁ」


昼休み、バンドの練習のために集まったはいいけど、その目的を果たせずにのんびりとしているとそう呟く斉藤。何故かって?


「本当に、吉崎がテストの点数悪くて呼び出されてなければね」

「あれは、本人の馬鹿さが原因だからな」

「まあ、二学期の中間が文化祭前なのも問題でござるがな」


肝心要、練習しなきゃいけないワースト人物の吉崎は文化祭前の二学期の中間試験でかなり悪い点数をとったので、現在先生に呼び出されて進路について真剣に考えるように説教されているだろう。


なら、別にこの場所にいる必要もないかもしれないが、なんだかんだで人気が少ないからここで昼休みを終えるのは悪くないのだ。


「そういえば、結局お前の娘来るのか?」

「ん、ああ瑠美さんと父さんと一緒に来るっぽいよ」

「ナチュラルに娘発言を飲み込んだでござるな」

「まあ、事実だし。あと、頼むから皆の前ではそういう軽口はなしで頼むよ」


まあ、この2人なら大丈夫だろうけど。


「やっぱりけんちゃんの親戚みたいな扱いで来るでござるか?」

「うん、そうなるかな」

「ま、一般公開は2日目だけだしな。1日目にお前の女装を見せられないのは残念だが」

「想像すらしたくない事態をさらっと言わないで」


うん、まあ、それでも初日は女装するんだけどさ。なんか人として、間違った道に進みつつあるようでかなり不安になるが、父さんみたいに本業ではないしセーフのはず。


うん、そう、そのはずだ・・・


「あるいは何かのトラブルで代役で2日目にやることになるかもな」

「本当にそれは避けたい」

「けんちゃん女装似合ってるでござるよ?」

「あんまり嬉しくないかなぁ」


まあ、少なくとも千鶴ちゃんの前ではそんな姿を見せたくないなぁ。父親的に。


「というか、2日目って丁度ライブだろ?主にそれ目的か」

「うん。あんまり騒がしい場所に長時間いさせるわけにはいかないから、俺たちの出番だけ見てもらうけどね」

「それはそれは、拙者達も友人の娘の前でカッコイイ姿を見せなくてはいけないでござるな」


ノリノリでキーボードを操る斉藤。その動きにも前よりずっとスムーズさがあり、練習してるのがよくわかった。


「ま、俺らも出来る限りフォローするけど、どうせならお前も楽しめよな」

「ありがとう。というか、2人も俺達に気を使わずに楽しんでいいんだよ?」

「俺はパスかな。正直面倒だし」

「拙者は文芸部と漫研辺りをメインフィールドに活躍してくるでござるよ」


いかにもらしい2人に苦笑しながら先生から借りたギターを軽く弾く。そんな昼休みを過ごすのだった。



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