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253 親子揃って

実は

「ただいまー」

「おかえりなさい」


いつもより大分早い時間に帰ってきた先生をすぐに出迎えると、先生は心配そうに聞いてきた。


「ちーちゃんは、大丈夫なのか?」

「LINEでも話した通り元気になりつつありますよ。今はぐっすり寝てます」

「そうか・・・良かった」


そうしてホッとする先生の顔を眺めてから、俺は先生の額に手を伸ばしてから、熱を計って言った。


「やっぱり、痩せ我慢してたんですね」

「・・・何のことだか」

「朝から、少し体調悪かったんですよね?まあ、多分身体がダルいくらいだとは思いますが」

「気づいてたのか・・・」


そう言うと気まずそうに先生は言った。


「・・・ちーちゃんが、体調悪いのに私が負担をかけるわけにはいかないからな」

「無用な気遣いですよ。まあ、実際朝は熱はなかったし、責めるつもりは一切ないですが、今度から隠し事はなしでお願いします」

「わかったよ・・・すまないな」


そう言う先生に苦笑しながら俺は聞いた。


「食欲ありますか?一応市販の薬はありますが・・・使うにしても何か食べないといけませんから」

「そこそこだな。お前が作るものならなんでも食べるさ」

「とりあえず今夜はお酒は禁止ですよ?治るまでは飲むのは許しませんから」


そう言いながら先生の前を歩くと先生はポツリと聞いてきた。


「今日は・・・ちーちゃんのこと甘やかしたんだよな?」

「ええ。一応」

「だったら、今夜は私がお前を独り占めしても大丈夫だよな?」


そんなことを言う先生。当たり前なことに思わず苦笑してから俺は言った。


「治るまではずっと側にいますよ。遥香さんは俺の大切な人ですから」

「そうか・・・なら、存分に甘えさせてもらおうか」

「ええ、ドンと来いです」


流石親子というべきか同じようなタイミングで風邪をひくのはある意味凄いと思う。俺と海斗なんてそもそも俺があまり風邪ひかないから被ること皆無だったし、父さんの時もなかった。


どっちかの風邪がうつったのだろうか?あるいは別の感染源・・・俺が発症してないのは単純に無駄に丈夫なだけだろうが、俺が感染源だったら申し訳ないなぁ。


とりあえず今夜は2人の看病をしながら早く治るように愛でるとしよう。うん。


「しかし、お前は本当に大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ。2人が元気になるならなんでもしますし、それに俺は丈夫ですからね」

「なら、お前が寝込んだら私が看病するとしよう」

「期待してます」


家庭的スキルゼロでも、例え後片付けが大変でも嬉しいものは嬉しいのでそう微笑んでおく。


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