247 寝る前には
寝る前
「悪いな、うちの両親に付き合ってもらって」
ぐっすりと眠る千鶴ちゃんを布団に入れるとそんなことを言ってくる先生。夕飯の後、晩酌にも付き合ったのだが、珍しくお義父さんが飲みすぎたようで色々とあってから、こうして用意して貰った部屋に戻ってきたのだが、どうやらそれに対して言っているようなので俺はくすりと笑って言った。
「楽しかったので大丈夫ですよ。ただ、千鶴ちゃんには少し退屈させちゃったので、明日は存分に構ってあげます」
「・・・ああ、そうだな」
「そういえば、お祖母様いつの間にか消えてましたけどちゃんと帰れましたかね?」
小屋までそこまで距離はなくても、年齢的に少し不安になっていると、先生はそれに苦笑して言った。
「心配しなくても、下手したらそこいらの学生より元気だよ。それにしても、よく祖母と仲良くなれたな。かなり気難しいんだが」
「そうですか?確かに厳しそうな方でしたけど、凄く優しいオーラがありますし、それにちゃんと遥香さんのことも心配してましたよ」
「私は怒られた記憶しかないがな」
そういうものなのだろうか。
「なぁ、来て早々に話してたのは、私との結婚についてか?」
「はい。そうです」
特に隠すことでもないのでそう頷くと先生はそれに真剣に聞いてきた。
「・・・いよいよ、引き返せなくなってきたが、本当にいいんだな?」
何がかは言葉にしなくてもわかっていた。家族にもご挨拶して、いよいよ俺は本格的に外堀を埋めていた。だからこそ、先生はそんなことを聞いてきたのだろう。そんな先生の言葉に俺は頷いて言った。
「むしろ、覚悟を決めるためです。お義父さんとお義母さん、それにお祖母様に瑠美さん。遥香さんのご家族にきちんと挨拶をするのは、俺の覚悟を決めるためです。遥香さんと千鶴ちゃんと、本当の家族になるために必要なことですから。あとは千鶴ちゃんにきちんと説明するのと・・・遥香さんにも覚悟を決めてもらうだけですが」
その言葉に、先生はくすりと笑って言った。
「その点に関しては、何も心配してないさ。私はお前のもので、お前は私のものだ。それに・・・ちーちゃんだって、お前のことを本当の家族だと思ってるさ」
「だと嬉しいですが・・・それでも、卒業間近になったらきちんと話すつもりです。受け入れて貰えるかわかりませんが、ちゃんと話して納得して貰ってから家族になりたいんです」
そう言いながら眠る千鶴ちゃんの頬を撫でると、先生はそれを見ながら俺に近づいてきてからそっと肩を寄せてきた。片手で千鶴ちゃんを愛でながら肩を抱き寄せると、なんとなく幸せな気分になりながら、俺はその日の夜に色々と思うのだった。




