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236 本音をいえば

本音

「ハッキリいえば気に食わないな」


その日の晩酌の時間。合コンの件を先生に言ってからなだめてから、須藤さんからの提案を相談するとそんなことを言う先生。


「とはいえ、話を聞く限りにおいては嘘はついてないだろう。何よりお前が何も話してないのにそこまでハッキリと提案するのは余程お前から似たようなオーラを感じたんだろう」

「かもしれませんね」


あれだけ熱烈に語っていた先生の存在が嘘であるようには思えない。それに俺は向こうに何も情報を渡していないので特にデメリットはない。


「確かに、お前に悪い虫がつかないというのは魅力的だが、私の本心はお前に近づく女は全て敵だと思っている」

「俺もそうかもですね。遥香さんに近づく男は敵だと思ってます」

「まあ、私も少し口を滑らせてしまったがな」

「婚約者のことなら大丈夫です。元々そろそろお願いする予定だったので」


先生の虫除けにそろそろそういう話をして貰おうとは思っていたのでちょうど良かった。


「遥香さん。俺は遥香さんが嫌なら断ろうと思ってます。遥香さんに無理して貰ってまで虫除けは欲しくないので」


その言葉に先生は、苦笑しながら言った。


「お前らしいな。だが、私だって大人だ。それにお前が、私やちーちゃんのことを絶対に裏切らないと信じてる。だからこれは私の小さな嫉妬だ」

「ええ、それが俺には1番大切なんです」


そういう小さな気持ちを、俺は大切にしたいのだ。そんなことを言うと、先生はそれに頷いて言った。


「あぁ、だからもしその話を受けるなら、私やちーちゃんを今まで以上に愛してくれ。それが大丈夫なら構わない」

「・・・そんなの、俺が嬉しいだけじゃないですか」

「それからもう1つ・・・そのLINEの内容は、絶対に私に見せること」


それは・・・大丈夫なのかな?俺が逆の立場なら、かなり悲しくなりそうだけど・・・そんなことを思っていると、先生はそれに対して頷いて言った。


「お前が他の女に愛を囁くのは嫌だが、それでもお前が、本当に私やちーちゃんのことを愛してるのは知ってる。だから大丈夫だ」

「なら、俺はなるべく遠まわしに言うようにします。直接的な言葉は控えます」


そう言うと先生は俺に抱きついてきてからぽつりと言った。


「・・・お前は何があっても、私やちーちゃんの側にいるよな」

「ええ、約束します。何があっても2人と一緒にいると」

「そうか・・・ありがとう」


お礼を言いたいのはこっちだ。だからこそ俺は今まで以上に2人のことを愛そうと誓うのだった。絶対に守ろうと。


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