233 合コンではない
(ヾノ・∀・` )チャウチャウ
「じゃあ、とりあえず自己紹介しようか!」
半日で学校が終わってから、吉崎に連れてかれたのはカラオケボックス。つくづく縁があると思いながら、吉崎と俺を含めた男4人と同じ人数の女が4人と合計8人が、カラオケボックスにいるのだが、げんなりしてしまう。
明らかに校則違反な、メイクやピアスなどをしている女子と男子が多め。ハッキリ言って、この場にいるのが嫌になる。俺と向いに座る女の子1人は地味目で、多分向こうも引き立て役に呼ばれたのだろう。オドオドしながら座っているので、可哀想に思いながら自己紹介をあっさり終わらせると、早速というか、思い思いに目当ての相手に話しかける男連中。
その状況になっても、俺とその向いに座る子は沈黙を貫いていたので、何を思ったのか、女の1人がその子に向かって言った。
「ちょっと、マユミ!せっかくだから、その向かいの奴とポッキーゲームでもしてよ!」
なんでやねん。しかし、そんな頭のおかしな言葉に、他の連中も盛り上がり始めるので、柄にもなくイライラしてしまう。
「面白そう!」
「いいぞ!やれー!」
「それ、やーれ、やーれ」
やれやれコールが起こる、カラオケの一室。俺の沈黙に、吉崎が若干慌ててそれを止めようとするが、俺はその前にため息をつきながら、吉崎に言った。
「ごめん。やっぱり俺帰るよ」
「ちょ、け、健斗。そう言わずにもう少しだけ頼むって!」
「えー、何アンタ。ノリわるー」
ブーイングが起こる。それを見て、俺はハッキリと言った。
「悪いけど、俺はそんなくだらない遊びに付き合うのはごめんなんだ。それに、ここでそんなくだらないことをするよりも、大切なことがあるから」
「何よそれ、だったらなんで来たわけ?」
「合コンなんてするおめでたい人を笑いに来ただけ。だいたいこんな所で遊んでないで、勉強でもしたらどう?」
その言葉に唖然としてから明らかに怒りの視線を向けてくるメンバーを見渡してから唖然とする吉崎に謝ってから荷物を持って部屋を出る。
無用な怒りを買ってしまったかな。でもさ、明らかに嫌がってるあの子に、そんなことを平然と強制するような人と、仲良くしたくなかったんだよね。
何より俺は先生以外とすることは絶対にないのだ。まあ、あの手の輩はどうせ俺のことなんてすぐに忘れるだろう。万が一何かあったとしても、今回はマスクも付けていたし、何よりそもそも人の顔を覚えられるような人種ではないのは確実なので大丈夫だろう。
しかしまあ、合コンってこんなのばっかなのかな?そんなことを思いながら、外に出るのだった。




