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214 お暇を貰う

いつもの

「なるほど・・・それで今日はあんなに甘えていたのか」


三人でお風呂に入ってから、夕食を食べて千鶴ちゃんが寝たのを確認してから晩酌をする先生に本日のことを話すと納得したように言った。


「まあ、ちーちゃんは本当にお前のことを慕ってるからな。しかし、前までならそんなことを思っても態度に出すことはなかったんだが・・・お前のことが本当に好きなんだろう」

「それは・・・嬉しいですね」


家族として慕われているなら、これ以上嬉しいことはない。


「私だってお前のことが大好きだ。無論ちーちゃんとは別の好きだがな」

「・・・ありがとうございます」


最近先生も、ぐいぐい来るようになったような気がする。まあ、それは嬉しいし、内心先生のことを可愛いと思っているのは内緒だ。


「まあ、私とちーちゃんにとって、お前はなくてはならない存在になってるんだ。依存と言ってもいいほどにな。重くないか?」

「まさか。むしろ嬉しいですよ」


俺なんかで二人の支えになれるなら、それは嬉しいことだ。それに多分、俺も二人に依存してるのでお相子だろう。お酒を飲みながら先生は、何やら考えてから聞いてきた。


「なぁ、健斗」

「なんですか?」

「お前は・・・一人の時間は欲しくないのか?」


珍しくそんなことを聞いてくる先生。俺は少しだけ考えてから素直に答えた。


「全く欲しくないと言えば嘘になりますが、でも俺はあんまり一人の時間が好きじゃないんです。昔だったら耐えられたんですが・・・二人に出会ってから寂しくなるようになりました。だから俺は二人のために色々したいんです」


その言葉に先生は驚いたような表情を浮かべてから苦笑して言った。


「そうか・・・明後日なんだが、ちーちゃんを連れて二人で出掛けたいんだ。留守を任せていいか?」

「はい。お戻りはいつになりますか?」

「昼頃出掛けてから、夕飯までには帰ってくる。お前を一人にしてしまうが・・・」


申し訳なさそうな先生に俺は頷いて言った。


「必要なことでしょうし大丈夫ですよ。俺は二人の帰りを、ご飯作って待ってますから」

「あぁ・・・あ、一応言っておくと、用事と言っても瑠美に会ってくるだけだからな」

「ええ。わかってます」


先生が浮気をすることはないと思っている。もししたとしても千鶴ちゃんを連れていく理由はないからだ。まあ、例えそんな悲惨な結末があっても、俺が先生と千鶴ちゃんを好きな気持ちには変わりないし、それ以前の問題として二人を信じてるので大丈夫だ。


「・・・なぁ、膝枕いいか?」

「はい。どうぞ」

「ああ。ありがとう」


嬉しそうに俺の膝に頭を乗せる先生。しばらくそんな先生を愛でながら、幸せな時間を過ごすのだった。






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