212 浮気じゃないよ?
(σ * ॑꒳ ॑*)σソレナ♪
「あ、おにいちゃーん!」
雅人の家で二人の夕食を用意してから俺はすぐに千鶴ちゃんを迎えに来ていた。俺が来たのにいち早く気づいて駆け寄ってきた千鶴ちゃんは、俺に抱きついてからすりすりして言った。
「えへへ、おにいちゃーん♪」
俺は可愛い娘にほっこりしながらも千鶴ちゃんを抱き上げてから聞いた。
「帰る支度は出来てる?」
「うん!あれ・・・」
何やら俺の胸元に顔を押し付けてくる千鶴ちゃん。どうしたのかと思っていると、千鶴ちゃんは不思議そうに聞いてきた。
「おにいちゃん、ゆうごはんもうつくったの?」
「いや、この後作るよ。さっきまで友達の家で料理してたからかなぁ・・・って、え?千鶴ちゃん?」
見れば何やら少しだけ涙目になっている千鶴ちゃん。落ち着かせるように抱き締めると千鶴ちゃんはポツリと聞いてきた。
「おにいちゃんはどこにもいかないよね?ちーをおいていかないよね?」
「当たり前だよ。千鶴ちゃんが大きくなって好きな人と結婚してもずっと家族だよ」
よしよしと、あやす。しばらくすると、落ち着いたようだが、俺の胸に顔を埋めたまま離さないので俺はそんな千鶴ちゃんを抱き締めたまま先生の元に行くと荷物を持ってきて貰うようにお願いする。すると、先生はそれを見て微笑ましそうに言った。
「お兄さん、千鶴ちゃんに本当に好かれてますねぇ。そんなに甘えてる千鶴ちゃんが見れるとは思わなかったですよ」
「そうですか?」
「ええ、うふふ。頼りになるお兄さんで良かったね千鶴ちゃん。なんだかそうしてるとお兄さんなのにお母さんにも見えますねぇ」
俺にはそんな母性はないのだが・・・まあ、親に近づいただけ前進だろう。
「あ、そうそう。お兄さん運動会来てくださるんですよね?」
「ええ、まあ。せっかくの機会ですから」
「実は親御さんで設営にご協力いただける方を探してるんですが、片付けは人が集まるんですが設営の方が人手不足でして・・・お時間大丈夫ならご協力いただけませんか?」
「まあ、時間が合えば」
一番は先生と千鶴ちゃんなのでそう答える。実はそれなりに父兄にも顔見知りが欲しかったのでいい機会ではあるが、まあ、予定的に二人のための時間が阻害されるならなくてもいい。
「まあ、ありがとうございます♪時間は早朝からになるんですが、お時間はそこまでかからないと思います。千鶴ちゃんを送るついでにご参加頂ければ」
「わかりました。じゃあ、行こうか千鶴ちゃん」
腕の中でこくりと頷く可愛い娘に微笑みながら帰路につく。うん、今後は二人にさらに尽くそう。




