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205 何故か似合う

昼休み

「にしても、あれだけ渋ってたのにまさか自前のギターを持ってくるなんてなぁ・・・友情を感じるぜ」


そんなことを昼休みに借りた音楽室でしみじみと言う吉崎だが、雅人と斉藤はこれを先生から借りたものだと勘づいているようで苦笑していた。


「にしても・・・お前ってそんなに派手なの好きだったか?」

「まあ、たまにはね」

「意外と似合うのが凄いが・・・だがしかし!俺のドラム捌きをみよ」


ドンドコカンカーン。無駄に動きをつけてドラムを叩く吉崎。ドヤ顔なのが少しだけイラついたけど、それを口にしないで俺は二人に聞いた。


「にしても、雅人ベースなんて持ってたんだ」

「親父の趣味らしい。お前とバンドすると言ったらババアと薫連れて絶対に見に来ると言ってたな」

「お仕事大丈夫なの?」


かなり忙しくだろうにと思いそう聞くと雅人は面倒そうに答えた。


「まあ、大丈夫だろう。アイツがいなくても優秀な部下がどうにかするだろうしな。そういや、斉藤も文化祭に彼女来るだろ?」

「で、ござる。バンドをすると言ったら飛び付いてきたでござる」

「彼女さん元気なの?こないだのコミケの時以来だけど」

「元気すぎるでござるよ。けんちゃんには是非またコスプレを頼みたいと言ってたでござるな」


その言葉に俺はコミケで女装させられた後に雅人とセットで撮られたことを思い出して震えてしまう。地味にトラウマになってるけど・・・先生もこんな感じだったのかな?


「お、そういえば忘れてた。これが文化祭でやる予定の曲な」


そんな風に話していると満足した吉崎が唐突に楽譜を出してきたので少しだけ驚いてしまった。まさかここまで用意してるとは・・・


「楽譜は読めるよな?」

「一応は」


先生にある程度習ったので大丈夫だろう。雅人はもちろん斉藤もわりとその辺は天才的な部分があるので心配はないだろうが・・・あえて問題がありそうな吉崎がこの調子なら大丈夫かな?


「とりあえず目を通したら一度通しでやるぞ!」

「え?早速合わせるの?」


もう少し練習してからじゃないのかと言うと吉崎はちっちっと指を振ってから言った。


「こういうのは勢いが大切なんだよ。心配するな健斗。お前がどれだけ下手でも俺らがカバーするからな!」

「・・・それは頼もしい」


うん、吉崎らしいよね。キレないキレない。

しかし、これ予想よりも難しそうなんだけど・・・俺出来るのか?そう思いながら一通り眺めてからある程度楽譜を覚える。先生から軽く教わったから多分ギリギリいけるかな?


「んじゃ、やるぞ!ワン、ツー、ワン、ハイ!」


吉崎の合図でそうしてそこからは俺は必死に指を動かす。ただひたすらに弾くのだった。そしてリズムに乗ってから心の中では歌も歌っていたのでそこそこノリノリだったのは否定できないのだった。



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