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199 甘えてもいいんですよ?

ええんで♪


「よいしょっと」


部屋に戻ってから千鶴ちゃんを起こさないように優しく布団に降ろす。すやすやと寝ている千鶴ちゃんを微笑ましく思っていると、不意に千鶴ちゃんが俺に手を伸ばしてきてから寝言のように言った。


「おにいちゃん・・・ちーと・・・ずっと、いっしょ・・・」

「・・・うん。そうだね」


優しく手を握ってから布団に戻す。やがて大人になればこの子も好きな人の手を取って遠くに行くかもしれない。それは少し寂しいことにも思えるけど、千鶴ちゃんの幸せを願う気持ちはちゃんとある。だからこそ俺は本当の意味でこの子の父親になりたいのだ。


ゆっくりと立ち上がってから、窓辺の椅子に座りながら晩酌をする先生の向かいに座ると俺は聞いた。


「さっきはお風呂ありがとうございました。少しはリラックス出来ましたか?」

「どうかな。まあ、でも私はお前とちーちゃんと一緒ならどこでも楽しいさ」

「・・・たまには甘えてくれてもいいんですよ?」


何の気なしに思わずそんなことを言っていた。その言葉に先生は少しだけ驚いたような表情を浮かべてから苦笑して言った。


「これでも随分と甘えてるんだがな」

「なんとなくですが、遥香さん何かを我慢してますよね?」

「そうか?」

「はい。無意識に何を抑えているように思えたので。俺で良ければなんでもしますよ」


その言葉に先生はまたしても何かを抑えるような表情をしてから、ポツリと聞いてきた。


「なぁ、健斗。私が何を言ってもひかないか?」

「ええ。もちろん」

「本当に本当か?」

「はい。絶対にです」


そう言うと先生は少しだけ恥ずかしそうにしてから言った。


「お前を見てると・・・その、無性に襲いたくなるんだ」

「襲いたく・・・」

「あー・・・つまりな。私はお前のこと大好きすぎるんだよ」


その言葉に俺は少しだけ驚いてから思わず微笑んで言った。


「嬉しいです。遥香さんの心に少なからず俺がいるのが」

「・・・でも、やっぱりおかしいだろ?年下の好きな男にこんなに狂おしいほどに愛情が芽生えるなんて」

「おかしくなんてないです。俺だって遥香さんのこと大好きなんですから」


そう微笑むと先生は何かの限界のように俺の方に歩いてくると膝の上に座ってから抱きついてきて言った。


「あー、もう・・・なんでお前はそんなに優しいんだよ。これじゃ我慢も限界になるじゃんか」

「結婚までそういう行為は出来ませんが・・・」


そう言ってから俺は先生をそっと優しく抱き締めてから笑顔で言った。


「こうして、甘えてくれるのは構いませんよ」

「・・・ああ、もう!大好きだよ!」


そう言いながら甘えてくる先生をしばらく楽しむことになった。この日から先生が俺の前ではさらに甘えてくるようになったのは言うまでもないだろう。





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