178 巽家本家
お祖父ちゃん
「これは・・・大きいな」
古い日本家屋の家を見ながらそんなことを言う先生。巽家の本家とも言える場所なのだが、まあ今はお祖父ちゃん一人で暮らしているのでおそらく掃除は微妙だろう。一応お手伝いさんを雇ってはいるが、何分広いから手入れは行き届いていないだろう。
「じゃあ、入ってくださーーー」
そんなことを思いながら鍵を開けてから扉を開いてから俺は一度閉めてから首を傾げる二人に微笑んで言った。
「すみません、少しだけ待っててください」
「それは構わないが・・・さっきの鎧はなんだ?」
「気のせいってことにしてください」
先生の視力の良さに思わずそう言ってから俺は中で鎧を着こんでいたお祖父ちゃんを説教してからなんとか会えるようにする。
巽辰五郎、俺の祖父にして今年で70になるが、そこいらの格闘家のような筋肉質な老人だ。そのお祖父ちゃんは先生を警戒しながら見てから俺の後ろで怯えている千鶴ちゃんを見てから言った。
「ふん、お前さんが健斗の言ってた女じゃな」
「はじめまして。黒羽遥香と言います。こちらは娘の千鶴です」
「ふん・・・」
「お祖父ちゃん。挨拶はきちんとしないとダメでしょ?」
そう言うとお祖父ちゃんは少しだけ気まずそうにしながら言った。
「巽辰五郎じゃ。健斗の祖父」
「はい。存じております。本日はご挨拶をと思って来ました」
「まあ、詳しい話は奥でするとしようかのう。健斗、お前は・・・」
「お茶を入れたら千鶴ちゃんと一緒に寛いでるよ。掃除は話が終わったらするから」
「・・・いつもすまんのう。お前がおらんとワシは片付けができんからのう」
正確にはお祖母ちゃん以外という言葉がつくけどね。まあ、それでも定期的に来ておかないといけないのだ。
「スイカを冷やしてある。食っていいぞ?」
「わかった。ありがとうお祖父ちゃん」
そうお礼を言うと嬉しそうに微笑むお祖父ちゃん。そんなお祖父ちゃんを見てから俺は先生に言った。
「すみません、大変かもしれませんが・・・」
「大丈夫だ。その代わりちーちゃんのこと頼む」
「ええ、もちろんです」
そう言ってから俺は千鶴ちゃんを掃除してある部屋に案内してからお茶を二人に運んで千鶴ちゃんとまったりと待つことになる。こうして待ってる時間に先生に負担をかけるのはあまり良くないが、それでも俺に出来ることは少ないのでこうして千鶴ちゃんが寂しくないようにしてあげるのだ。
最初は怯えていた千鶴ちゃんも俺がいつも通り接するとあっという間に馴染んだので、本当に強い子だと改めて思うのだった。




