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174 朝の楽しみ

「ん・・・朝かな」


少しだけ眠気を感じつつも、時計を見れば6時前だった。少し寝坊したと思ったが、今日から先生も休みなのを思い出して少しほっとする。と、不意に身体が重いことに気がつき、俺は納得する。


「うぅん・・・おにいちゃん・・・」

「すぅ・・・すぅ・・・」


両側から千鶴ちゃんと先生が、抱きついてきているのだ。寝るときは千鶴ちゃんを挟んでいたはずなのに、起きると何故か俺が中心で、二人に抱きつかれているのだ。嬉しいけど、かなり不思議なことだ。


自慢ではないが、寝相は悪くない。にも関わらずいつの間にか真ん中にいるのは、恐らく先生が途中で起きてから、寝ぼけてベッドに入ってるからなのだろうが・・・これが最近の日常になっているのは、ある意味凄い。


海斗が大きくなってからは、寝かしつけることなどなく寝るのは一人と決まっていたので、こうして誰かと一緒に寝るのは、とても安心できる。


「よっと・・・」


なんとか起こさないように、慎重に二人の拘束を逃れる。千鶴ちゃんはわりと強く握っているので離すのが大変だが、それだけ信頼されてるのは嬉しい。


「うぅん・・・」


そして、先生はいつものことながら、薄いネグリジェ姿なので色っぽすぎて目のやり場に困りつつ、なんとか離れる。そうして格闘してからなんとかベッドから起きると、俺は部屋から出る前に、二人の寝顔を眺めることにする。


すやすやと寝ている二人の姿は親子なんだとわかるくらい似ているので、くすりと笑ってしまう。


(そういえば、最近毎日同じことしてるな)


引っ越してきてから毎日のように二人と寝て、こうして寝顔を眺めている。前と違い、ここに来るまでに実家で済ませることがない分時間に余裕があるので、こうしてのんびりしても問題ないのだ。


父さんはもう向こうに行ったので、これから俺が父さんのために家事をすることはなくなった。それは少し寂しいし心配だが、俺のことを考えてくれた父さんのためにも、俺は二人に今まで以上に尽くそうと思う。


「さて、とりあえずは朝ごはん作りますか」


部屋をそっと出てから着替えて顔を洗い、キッチンに立つ。自分好みにキッチンもカスタマイズしたので凄く楽になったが、そんなことよりも、俺は二人に美味しいと言って貰えるように頑張る。朝は軽く、でも手の込んだものを作って、好感度上げにも念を入れる。これから毎日のように作るご飯にしても、絶対に二人に美味しい言って貰える自信のあるものを作る。


父さんと海斗のためにしていたことと同じことをするが、それ以上を目指す。そうして俺の朝は過ぎていくのだった。


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