17 デザートは何がいい?
健斗さんはロリコンではなくちーちゃんを父性的に見守ってるだけなのでそこは誤解なきよう(^_^;)
「さて・・・えっと、千鶴ちゃんこれから夕飯の買い物行くけど何か食べたいものある?」
先生の家に着いてからそう千鶴ちゃんにきくと、千鶴ちゃんは俺の声に驚いたようにびくん、としてから小声で言った。
「・・・なんでもいい」
料理を作る人間にとって一番厄介な台詞だが、まあ予想通りの答えなので俺は特に気にせずに言った。
「そっか。何か食べたいものあれば遠慮なく言ってくれていいからね。俺にできるものならなんでも作るから」
「・・・・うん」
とはいえ、さて、今日は何を作ればいいものか。先生と千鶴ちゃんは野菜をあまり好まないようだけど、栄養バランスを考えるとそれなりに野菜を取らせた方がいいだろうし、そうなると・・・
「カレーかハンバーグあたりかな・・・」
「・・・!はんばーぐ!」
「え?」
見れば目を輝かせている千鶴ちゃんがそこにはいた。この子のこんな嬉しそうな表情初めてみたなぁと思っていると千鶴ちゃんは恥ずかしくなったのか部屋へと駆けていってしまった。
しかし、そうか・・・千鶴ちゃんはハンバーグが好きなのか。なんとも子供らしくて可愛いけど、先生も好きそうなので今日はハンバーグでいいかなと思う。付け合わせの野菜は・・・少し煮て味付けてみて食べられるか様子を見るべきだろう。
「ご飯は大丈夫だとして、ハンバーグのために挽き肉買ってきて・・・あとは今日は何かデザートもつけるべきかな?」
あまり夜に甘いもの食べると太るから良くないが・・・まあ、千鶴ちゃんの年頃なら動いてどうにでもなるだろうし、何より先生の血筋だし多分食べても太ることはなさそうだ。先生いわく『いくら食べても飲んでもあまり体型は変わらない』らしい。どんな美少女いや、美女体質なんだと少し羨ましくなる。
まあ、それにどうせ先生のために軽くおつまみを作るつもりだから対して手間ではないだろう。
今朝確認したら先生のビールが何本か空いていたし、買ってきたおつまみ類はほとんど空になっていたので、おそらく昨日俺が帰ってから千鶴ちゃんが寝たのを確認して一人で晩酌したのだろう。
俺と千鶴ちゃんに気を使うのは嬉しいけど、なんとなく一人で晩酌する先生に思うところがあるので、せめておつまみくらいは俺が作ろうと今朝から決めていたのだ。
「千鶴ちゃん。今日は何かデザート作ろうと思ってるんだけど何か食べたいものある?」
そう扉ごしに訪ねるが反応はない。あまり急かしても仕方ないと思い俺は戸締まりを確認しようとするが、その前に扉が少しだけ空いてそこから千鶴ちゃんが顔を出して小声で言った。
「・・・あまいのがいい」
「そうか。わかったよ甘いもの作るね。少しだけ買い物に出かけるけど千鶴ちゃんも一緒にいく?」
そう聞くと千鶴ちゃんは驚いたように勢いよく首を横にふると再び部屋にこもってしまった。まあ、最初はこんなものだ。これから仲良くなればいいと内心の微妙なダメージをスルーして超速で買い物に行くのだった。