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160 ご機嫌と不機嫌な朝

朝ですよー


「あら、おはようけんちゃん♪」


玄関からそっと入るとテレビを見ていたお義母さんにそう挨拶をされる。


「おはようございます、お義母さん。お早いですね」

「なんだか目が覚めちゃったのよー。あ、そうそう遥香ちゃんからのメッセージは見たのかしら?」

「・・・やっぱりあれはお義母さんなんですね?」

「その様子だと気づいてたみたいねー。愛の力ね♪」


その様子にため息をつきたくなりつつ、起きてきてからの遥香さんへのフォローもしないといけないと思いながら俺は言った。


「あの、お義母さん。突然で申し訳ないですがーーー」

「ふふ。大丈夫よー。けんちゃんの家庭事情はある程度遥香ちゃんから聞いてるからねー」

「そうでしたか。説明が遅くなってすみません。本当なら自分で言わなきゃいけないのに」

「いいのよ、むしろ私は遥香ちゃんの本気が見れて嬉しかったわぁ」


そう微笑むお義母さん。どうやら遥香さんに色々と任せてしまったようで申し訳ないな。今度ちゃんとお礼しないと。そう思っていると、お義母さんが思い出したように聞いてきた。


「そういえばけんちゃんの誕生日っていつ?」

「えっと、11月11日です」

「あら、ポッキーの日なのね」

「まあ、そうですが・・・」

「ちーちゃんは確か8月15日で、遥香ちゃんは12月24日なのよー。知ってたかしら?」

「ええ、一応」


念のため千鶴ちゃんの保険証などの場所も教えて貰っていたので把握はしていた。


「あの、それが何か?」

「ふふ、大したことじゃないわよー。ただ、けんちゃんが知らなかったらどうしようと思っただけよー」

「そうか、ところで私のスマホを無断で使ったのはどこの誰かな?」


そんな声と共に先生がお義母さんの真後ろに立って明らかに怒りマークを浮かべていたので、俺はヤバいと思って止めに入る前にお義母さんは微笑んで言った。


「遥香ちゃん、良かったわね。私が聞かなければけんちゃんの誕生日聞けなかったでしょー」

「うるさい・・・たっく、それで健斗。お義父さんが来るのか?」


何やらため息をついてからそう聞いてる遥香さん。怒らないことに少しだけ驚きつつも俺は頷いて言った。


「ええ、お二人がいることを知って会ってみたいって」

「そうか・・・私もいたいが、この後仕事があるんだ。大丈夫か?」

「家のことと千鶴ちゃんはお任せを。遥香さんの留守を守るのが俺の役目ですから」

「そうか・・・頼りにしてるぞ」

「はい、もちろんです」


そうして俺が簡単にノセられているのを見てお義母さんは微笑ましそうにしていたが・・・後から考えるとそういえば、遥香さんに俺の誕生日は教えてなかったなぁと思うのだった。





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